2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25610009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 強擬凸CR多様体 / Rumin複体 / ボホナー・ワイツェンベック型公式 / 四元数CR多様体 / ツイスター空間 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、強擬凸CR多様体のRumin複体に対するシャープなボホナー・ワイツェンベック型公式を書き下すことを目標に研究を行った。昨年度、1形式の場合に、Ruminの書き下した公式が実際にシャープであることを確認したが、今年度はこのことの応用として、劣ラプラシアンの固有値のシャープな評価(Greenleafが1985年に証明を発表したが、後に誤りが指摘され、2013年にLi-Wangが正しい証明を与えた。)の極めて簡明な別証明が得られた。現在、等号成立の場合を考察している。 Ruminは2次以上の微分形式に対してもボホナー・ワイツェンベック型公式を書き下しているが、それらはシャープでないことが分かっている。(正確に述べると、我々が念頭においている剛性問題への応用に耐えるほどシャープでない。)我々は、まず、2形式の場合にシャープな公式を書き下すことを試み、一つの実パラメータを決定すればよいというところまで進めたが、いずれかのパラメータに対して公式が実際にシャープになるかは未解明である。 また、昨年度に引き続き、四元数CR多様体のツイスター空間上に自然なCR構造を定めることを目標に研究を行った。昨年度、概CR構造がwell-definedに定義できることを主張したが、証明に誤りがあった。四元数CR構造の可積分性の定義を変更する(強める)可能性も視野に入れて、証明を修正しようとしている。 この研究は鎌田博行氏(宮城教育大学)との共同研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
強擬凸CR多様体のRumin複体に対するボホナー・ワイツェンベック型公式の研究は概ね順調に進んでいるといえるが、四元数CR多様体のツイスター空間上に自然なCR構造を定める研究があまり進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要において言及した等号成立の場合の解析を完結させるとともに、3次元CR多様体上の1形式の場合に、ボホナー・ワイツェンベック型公式の存否を明らかにする。また、四元数CR多様体のツイスター空間上に自然な概CR構造をwell-dfinedに定め、その可積分性の研究に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力者の海外渡航が年度をまたがったため、全額を次年度の支出に回したため。 理由に記した海外渡航の経費を支出する。
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Research Products
(4 results)