2013 Fiscal Year Research-status Report
ポテンシャルの幾何学的研究と「最適美術館問題」のプログラム作成
Project/Area Number |
25610014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
今井 淳 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70221132)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 結び目のエネルギー / ポテンシャル論 / 凸幾何学 / 美術館問題 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本課題の主要な目標は、次に述べるように、数学的なものと、応用的なものの二つである。リースポテンシャルを繰り込むことによって、ユークリッド空間の領域の幾何学的なポテンシャルのワンパラメータ族が得られるが、その最大・最小点の唯一性やそれが存在しうる領域の研究が一つ目。その応用として、与えられた領域を監視するカメラを設置するとして、上のポテンシャルの観点からその最適な位置を求める、という新しいタイプの問題(「最適美術館問題」)の数値実験が二つ目。数値実験については、外部に委託することを計画している。 まず、この研究で扱うポテンシャルは距離の単調関数を核として持つことから、最大・最小点が存在しえない領域が、解析学のmoving plane methodあるいは対称性の原理から分かるので、最大・最小点が存在しうる領域として、その補集合をとることができる。これをminimal unfolded region(最小非折領域)あるいは心とよぶ。現在までにポテンシャルの最大・最小点の唯一性が証明されているのは、ポテンシャルの凸(凹)性が示される場合であった。しかし、領域全体でポテンシャルが凸(凹)でなくても、最小非折領域上凸(凹)であれば十分である。そこでまずこの最小非折領域の幾何学的性質を研究した。領域が球体であれば、その最小非折領域は1点のみからなる。そこで、領域を球体に近づける(ミンコフスキー和の意味で球体との内分を取る)と、最小非折領域は小さくなることを示した。 数値実験に関しては、本課題申請時に依頼したときよりも詳細な内容説明を作成し、最終的な見積もりを依頼している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値実験は何種類か別箇に行う予定で、今年度中に最初のものに着手したかったが、できなかったため。性質の異なる二つ以上の数値実験の見積もりを同時に依頼してしまったので、時間がかかってしまった。一つずつ見積もりを依頼した方がよかったのかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
数学的な面については、領域が球体に近ければポテンシャルの最大・最小点は唯一であることを示したい。25年度に書いた論文(プレプリント)の証明にギャップがあるという指摘を受けたので、それをまず修正し、可能ならば、それを包括するような、より一般的なこと(現在はまだ予想)を示したいと考えている。 数値実験については、見積もりが来次第、最初の実験に取り掛かりたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度中に数値実験の着手まで進まなかったため。 数値実験に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)