2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25610020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 豊 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (20304727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 迅 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362432)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3次元可視化 / ジュリア集合 / 複素ヘノン写像 |
Research Abstract |
今年度の課題は (1) 複素ヘノン写像などの複素2次元力学系から生成された実4次元空間のデータを CAVE で表示するアルゴリズムを開発する、(2) 4次元空間内での回転を体験者が操作するインターフェイスを開発する、の二点であった。 (1) で達成すべき課題は、複素エノン写像のジュリア集合や保存力学系のKAM不変円の複素化などの、可視化したい力学系的オブジェクト上にとった点列を CAVE に入力できる形に変換することである。CAVE の入力は3次元データであるため、4次元のデータを色々な方向の3次元超平面に射影する操作を実装した。また、力学系の構造をより詳しく把握するため、不安定多様体や KAM トーラスの複素化を点列としてではなく曲面として可視化する方法も一部で成功した。ただしまだ現在のところ、もともとの4次元データの解像度が良くないため、可視化した時にジュリア集合の微細構造がシャープに見られない。この点は計算機の増強をするなどして改善を図っていきたい。 課題 (2) については、今年度は進展があまり無く、未だ模索の状態が続いている。どのような操作であれば体験者が4次元空間を把握しやすいかは自明でない。そこで、4次元空間内での回転の操作とは別に、3次元の静止画の描き方のエフェクトでどの程度まで4次元空間が認識できるか、という点について、コンピュータ・グラフィックスの立場からの可能性を模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題の一つ目である複素ヘノン写像などの複素2次元力学系から生成された実4次元空間のデータを表示するアルゴリズムについては、手元にあるデータの移行が(解像度がまだ高くない点を覗けば)ほぼ何の障害も無く順調に進んだ。また課題の二つ目である4次元空間内での回転については、4元数体を用いた4次元回転の理論があることを発見し、それが我々のプロジェクトに有効である可能性が出てきた。以上のように、両課題とも、当初計画していた以上の発見が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
そもそも CAVE システムは、3次元可視化を行うために特別な部屋の中に入る必要があった。ところがごく最近、このような3次元のバーチャルリアリティーで持ち運び可能なメガネタイプのものが開発された。これは我々の研究に取って大きなアドバンテージであり、今後はこのシステムに対応して研究の方向性を修正する必要があると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入を予定していた書籍が売り切れだったため。 次年度に購入する。
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Research Products
(1 results)