2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25610024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 茂 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50215620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 等距離摂動領域 / 楕円型境界値問題 / 球対称性 / 等位集合 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
主な研究目的は, 等距離摂動領域に着目し, 線形・非線形楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式を探索・発見しその等号を実現する解の幾何学的特性を明らかにすることであった。主な研究成果は次の4つである。 1. 等距離摂動領域と半線形楕円型境界値問題の解の性質の関係として, 一つの等位集合が境界に平行ならば領域は球に限ることを示した。2. 線形・半線形楕円型境界値問題において, 境界に平行な集合上で解が定数に近ければ領域は球に近いという球の安定性を示した。3. 外部領域上の完全非線形楕円型境界値問題の粘性解が境界と相似な等位集合を持つとき解の球対称性を示した。 4. 速い拡散を記述する非線形拡散方程式の初期挙動と境界上で爆発する非線形楕円型境界値問題の解との深い関係を発見し, 初期挙動に現れる解の幾何学的特性を示した。 1, 2 の結果をそれぞれ掲載受理印刷中の論文: G. Ciraolo, R. Magnanini and S. Sakaguchi, Symmetry of minimizers with a level surface parallel to the boundary, Journal of European Mathematical Society, および Solutions of elliptic equations with a level surface parallel to the boundary: stability of the radial configuration, J. Analyse Math., として発表した。3 の結果を論文 T. Kawakami and S. Sakaguchi, When does the heat equation have a solution with a sequence of similar level sets? の一部にまとめ学術雑誌に投稿中である。4 の結果の論文を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対して相応の進展があった。特に等距離摂動領域, 楕円型境界値問題の解の等位集合, および解の幾何学的特性(解の球対称性等)の関わりについて良い結果が得られ, 最終目的達成のための基盤ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の研究協力者との討論・情報交換を活発に行い, 等距離摂動領域に着目した線形・非線形楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式の探索・発見に務める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は, 今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額とあわせ, 平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)