2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25610024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 茂 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50215620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 等位集合 / 楕円型境界値問題 / 熱方程式 / 球対称 / 国際研究者交流 / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 主な研究目的は等距離摂動領域に着目し, 線形および非線形楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式を探索・発見しその等号を実現する解の幾何学的特性を明らかにすることであった。楕円型境界値問題およびそれに関連する放物型方程式の解の幾何学的特性について, 主な研究成果は次の2つである。 1. 外部領域におけるある一般のクラスの完全非線形楕円型境界値問題の解が境界に相似な等位集合をもつならばその解は相似の中心について球対称であり, 領域は球の外部領域に限ることを示した。 2. 熱方程式の初期値問題の解が時刻無限大へ向けて相似な等位集合の列を持つならば, 解は相似の中心について球対称であることを示した。 これらの結果を掲載受理印刷中の論文: T. Kawakami and S. Sakaguchi, When does the heat equation have a solution with a similar level sets?, Annali di Matematica Pura ed Applicata で発表した。 また, 今後の研究の展開のため, イタリアから Brunn-Minkowski 不等式および等周不等式の偏微分方程式への応用の研究に関する専門家である研究協力者 Andrea Colesanti 准教授(フィレンツェ大学)を 2015年3月7日から3月14日の1週間東北大学へ招聘し, 楕円型境界値問題に関係する等周不等式について連続講義(90分を5回)をしてもらい討論・情報交換を行った。楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式発見への幾つかの可能性を開くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対して相応の進展があった。特に解の等位集合と解の幾何学的特性(解の球対称性)の関わりについて良い結果が得られた。また, 2015年3月にイタリアから東北大学へ招聘した専門家 Andrea Colesanti 准教授による連続講義と討論・情報交換により, 楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式発見への幾つかの可能性を開くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
連携研究者に加えて, 研究実績の概要で言及したイタリアの研究協力者 Andrea Colesanti 准教授および他の国内外の研究協力者と活発に討論・情報交換を行い, 楕円型境界値問題に付随する新しい等周不等式の探索・発見に努める。特に, 平成27年度は等周不等式とその偏微分方程式への応用の研究に関する専門家である研究協力者 Vincenzo Ferone 教授(ナポリ大学)を東北大学へ招聘し, 同教授による連続講義(90分を5回)実施および同教授との討論・情報交換を予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は, 今年度の研究を効率的に推進したことおよび海外研究協力者の割引航空券探索努力により招聘費用が低額に抑えられた結果に伴い発生した未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度請求額とあわせ, 平成27年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)