2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25610030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 美寛 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70134814)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 時空間定常確率場 / 時空間非定常確率場 / 時空間統計解析 / 時空間統計的検定 |
Research Abstract |
本年度は定常確率場において不規則間隔で観測されるデータが得られた場合について、パラメトリックモデルに対する新たな検定方法を提案し, その理論的性質の一部について明らかにした. サンプリング方法についてはデータ数が増大するとき, 観測値間の距離が密になると同時に観測領域が増大していく混合漸近理論(mixed asymptotics)の枠組みの中で考察した. 本検定方法の長所は主に2点あり, 第1に帰無仮説の下での検定統計量の極限分布は期待値・分散が簡潔な表現を持つこと, 第2に検定統計量は過去の関連論文で提案したデータをフーリエ変換した量に基づき計算できるので, 大規模データの場合においても多大な時間を要しないことにある. また本検定統計量はデータから計算したスペクトル密度関数の推定量と帰無仮説の下でのパラメトリックなスペクトル密度関数の差の2乗を各周波数で計算し, それを多次元の周波数領域において多重積分することにより得られるが, 差の2乗だけでなくKullback-Libler Information, J-divargence, Chernoff-distanceなど2つのスペクトル密度関数の距離を各周波数で計算し, それを多重積分した検定統計量についても同様の理論的性質が導ける. これらの結果に基づいて, 固有定常確率場などの非定常確率場に対するパラメトリックモデルに本検定法を適用した場合の理論的性質がどのようになるか現在考察中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としたテーマの中で、時空間確率場の推測理論の発展がある. 今年度は新たな検定統計量の提案とその理論的性質の導出に関して, 一定の進展を見た.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度得た理論的結果の非定常確率場への一般化, 実際データへの応用およびその有効性を考察する. また不規則間隔大規模時空間データに対するモデル選択方法についても研究を遂行する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度初めには海外出張を予定していたが、年度途中に今年度海外で開催される国際学会において講演を依頼された。したがって昨年度の海外出張を取りやめ、本年度の海外出張の費用に充当すべく変更したため。 本年度6月および7月に海外で開催される2つの国際会議に出席するための出張費用に充当する。
|
Research Products
(5 results)