2013 Fiscal Year Research-status Report
温度効果を考慮した亀裂進展の数理モデルの提案と解析
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25610031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
ミグダリスキー ウラディ 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70598896)
木村 正人 金沢大学, 数物科学系, 教授 (70263358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 応用数学 / 数理モデリング / 破壊力学 / 数値解析 |
Research Abstract |
亀裂進展に関わる数理モデルに関して、分担者の木村正人氏とする分担者の研究グループでspring(仮想バネ) モデルを利用した数理解析を行ない、大きな成果を得た。亀裂先端部におけ応力分布を spring(仮想バネ) に置き替えて記述する試みは破壊力学に関する工学の分野では古くから行なわれており、亀裂進行の定性的記述としての一定の合理性は認められている。しかし spring(仮想バネ) に関するいわゆる「バネ定数」の設定と弾性方程式に現れる弾性体定数を結び付けて数学解析観点から論じられることが無く、微分方程式論からのこの数理モデルの正当性のついては長らく未解決であった。これに対して木村正人氏は「バネ定数」に関する一定の仮定の下で、この新たな数理モデルと偏微分方程式の解の構造との対応を証明し、本課題研究が目指す「温度効果を考慮した破壊進展」解析の基礎部分において成果を挙げた。また、磯と藤原は fractional order の微分方程式を用いた数理モデルの検討を行ない、特にその数値計算について議論を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の特筆する分担者木村正人氏の数学解析上の成果は、この近年のポテンシャルエネルギーに立脚した木村正人氏の破壊力学の数理解析の集大成の一つであり、本課題研究推進において期待されていた成果の一つである。この意味では破壊現象の数理解析の基礎的な部分は順調に本課題研究が進んでいると判断される。また研究協力者の申東雨教授(Seoul 大学)との研究連絡から生れた fractional order の微分方程式を用いた数理モデルの考え方は極めて斬新なものであり、新たな研究の方向性を示唆するものと判断され、以上を総合して課題研究は当初計画程度の進歩が有ると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
現象の数理モデル化は、現象の数理モデル化に関する他の成功事例も調査検討し、様々な新しい考え方を積極的に取り入れながら研究の展開を測ることが重要である。平成26年度は前年度に検討した fractional order の微分方程式によるモデル化の長所と短所を数学解析と数値解析の両面から検討し、温度効果をどのようにモデル化するかを重点的に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中華民国国立交通大学数理モデル研究所の所長(兼任)の陳宜良教授を招聘し、「数理モデルと数値計算」に焦点をおいた研究連絡会の開催を平成26年2月に計画したが、先方研究者の事情から平成25年度中に実施することが困難となったため、旅費等を繰り越すこととした。 延期していた研究連絡会は平成26年4月に既に実施し、既に(5月1日時点では)繰り越した経費は使用して、課題研究の順調な推進に適切に対応した。
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Research Products
(7 results)