2015 Fiscal Year Annual Research Report
心室細動における自発的スパイラル波の生成メカニズムの解明
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25610036
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
二宮 広和 明治大学, 総合数理学部, 教授 (90251610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 正司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80359273)
上山 大信 明治大学, 総合数理学部, 教授 (20304389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応用数学 / 数理医学 / スパイラル形成 / 自由境界問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から,FitzHugh-Nagumo方程式の特異極限問題として新しい自由境界問題を導出した.この自由境界問題は,これまでに導出されている特異極限問題より, (1) 活性因子の分布の極限がステップ関数となり,興奮領域の情報だけがとりだせること (2) wave front interactionモデルと異なり,興奮因子間の相互作用が考慮されていること (3) 新しい波の生成が行われないこと などの利点を持っており,数学的解析が容易になった.この方程式の2次元進行スポット解の存在については,昨年度得られたが,これを多次元に拡張した.さらに,この方程式を用いてtipの自発的生成条件を解析的に求め,それを数学的に扱うための数学的基盤整備を行った.障害物は,スパイラル波の生成する役割と消滅する役割の両面をもっている.1つの障害物の形状に関するスパイラル波生成条件をもとに,複数の障害物によるスパイラル波生成条件に関しても調べた.また,上記の利点を活かすことで,1次元興奮波の大域的ダイナミクスを特徴付けることに成功した.多次元空間において興奮波のコアは,渦糸のようになるため,そのダイナミクスを捉えることは一般に難しいが,他の反応拡散系と興奮波系を組み合わせることにより,その動きの可視化にも成功した.
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