2013 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜状高粘度溶液からの結晶成長における溶液の安定性と流動性
Project/Area Number |
25610110
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山崎 義弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10349227)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非平衡・非線形物理学 / 結晶成長 / 流体力学 |
Research Abstract |
本研究は、薄膜状になったアスコルビン酸水溶液からの溶媒蒸発による球晶成長で見られる成長モードの動的転移、パターン形成についての研究であり、2009年に発表した論文 [Humidity-temperature dependence of domain growth of ascorbic acid crystal, Yoshihiro Yamazaki, Hiroki Yoshino, Machiko Izui, Yukiko Sato, Mitsugu Matsushita, J. Phys. Soc. Jpn. 78 (2009) 074001 (6 pages) ]の発展として位置づけられる。特に、環境の湿度による溶液の粘度変化、結晶成長に伴う溶液の流動性、流動性が引き起こす膜厚の変化に着目して、基礎的かつ萌芽的な実験、ならびに、数理モデリングを行った。具体的な実績を以下に報告する。 (1)早稲田大学の石渡信一博士、石渡研の大学院生である石井秀弥氏の指導・協力のもと、光ピンセット法を用いて、薄膜状アスコルビン酸水溶液の粘度測定を試みた。(2)アスコルビン酸水溶液に数ミクロンのビーズを入れ、球晶成長時の溶液中でのビーズの運動を観察して溶液の流れを可視化し、球晶の成長速度と溶液の流速との関係を調べた。(3)高粘性薄膜状溶液からの球晶成長に対する溶液の流動性を考慮した理論の構築を試みた。(4)理論の応用として、成長界面どうしが近づいてくると相互作用し、界面が同期して進行と停止を繰り返すことにより生じるフラクタル的パターンの形成現象ついて、実験結果を説明するメカニズムを提案した。
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Research Products
(3 results)