2013 Fiscal Year Research-status Report
巨大な軌道角運動量の自由度をもつ原子ビームの生成法の開発
Project/Area Number |
25610116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 正哉 埼玉工業大学, 付置研究所, 准教授 (80462662)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粒子線 / 原子波 / イオン波 / ナノテクノロジー / 軌道角運動量 / 波動関数 / 位相 / ボルテックス |
Research Abstract |
本研究の目的は、ごく最近代表者により発見された「軌道角運動量をもつ電子ビーム」の研究(Nature, 2010)を踏まえ、波動関数 (位相) の制御による「軌道角運動量をもつイオンビームの生成」を世界に先駆けて挑戦することである。初年度である本年度は、シミュレーションを含む生成法および検出法に対する詳細な検討を行い、国内外の原子ビームの先端研究者らとの情報交換、検出器発注予定先の技術者らと打合せを行った。検討の結果、原子ビーム波動関数の制御にはフォーク型回折格子による方法が、現状では最も適していることが分かり、光学系に最適な回折格子の設計およびテスト作製を行った。回折格子の作製には、現有する集束イオンビーム(FIB)装置を用いて行い、回折格子の評価は走査型電子顕微鏡(埼玉工業大学)および透過型電子顕微鏡(東京大学)を用いて行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、軌道角運動量をもつ原子(イオン)ビームの生成を目的とする。初年度である本年度においては、最適なビーム生成法、検出法を検討し、回折格子の設計および作製を主要な目標とし、それらはほぼ予定通り達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定通り、作製した回折格子を既存のイオンビーム装置に組み込み、原子(イオン)ビームを通す測定を行う。また2次元原子(イオン)検出器によって、原子(イオン)ビームの強度分布を測定することで、軌道角運動量をもつ原子(イオン)ビームの生成に挑む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の計画として、2次元検出器の開発・購入に物品費を計上しており、物品費の繰越が生じているが、実際には既に購入手続き段階にあり、研究計画に沿ってほぼ研究費は使用されている。 次年度使用額は、繰り越した額とあわせ、回折格子のイオンビーム装置への組み込み費および原子(イオン)検出器の開発費に使用する予定である。
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