2015 Fiscal Year Research-status Report
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25610131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (20302680)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光輻射圧 / ファブリペロー共振器 / 半共振 / 重力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度仕様を決めた、合成石英基材を利用した、直径8mm、厚み5mmの微小鏡基盤を用意し、片面に曲率1mの曲面、もう片面は平面を形成し、曲率面に対しては、1064nmの光に対して、99.99%反射率を持つ薄膜コーティング、反対側の平面に対しては、無反射コートを施した鏡を二個準備した。片方をこの微小鏡を利用し、片方は、大きな通常の鏡を利用した、垂直方向に光軸を持つFabry-Perot共振器を構成した。その時、微小鏡のほうは、水平面内で120度を成す角で放射状に配置されたタングステン製の細いワイヤーの先端に乗せて接着剤で固定するだけの柔らかい支持構造とし、鏡の姿勢は、その各ワイヤーが固定されているPZTとピコモーター付きステージで行った。最初は、入射パワーを10mW程度に絞り、そのファブリーペロー共振をPound-Drever法により、レーザーの周波数をレーザー内部の結晶に張り付けているPZT素子と結晶の温度制御装置の二つに帰還することにより、安定的に共振制御できることを確認した。そののち、制御信号の一部にオフセット信号をわざと加えることで半共振状態にしたところ、特定の共振周波数での振動が増幅され制御が不安定になる現象が見られた。入射レーザーパワーを増やしても同じような現象が見られた。このままでは、制御が長く維持できないため、現在、共振が増幅するメカニズムの発見をめざし、対策案を講じる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微小鏡の形成に時間がかかってた。要求される鏡の反射率が高い一方、形状の小ささに伴う研磨精度の限界とが相反条件になっており、ぎりぎりの条件を出すのに時間がかかった。さらに、共振器を半共振にした場合に、共振が特定の周波数で揺れ始め、不安定になる現象が見いだされ、その対応に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
半共振の場合の制御の不安定性の原因を突き止め、安定化させる方策を考える。
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Causes of Carryover |
微小鏡を利用した、Fabry-Perot共振器の半共振での制御に不明の振動現象が発生し、その対策費用が必要と考えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
不明の現象の原因を究明し、そのための対策に必要な機器購入に利用する予定である。
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