2014 Fiscal Year Annual Research Report
陸上地磁気三成分データを用いた津波ダイナモ効果の検出
Project/Area Number |
25610134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤 浩明 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40207519)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地震災害・火山災害 / 地磁気 / 津波 / ダイナモ作用 / ベクトル観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,前年度に高知県の馬路基準点で開始した地磁気ベクトル観測(2Hz値)に加え,気象庁地磁気観測所の協力を得て,地磁気全磁力絶対値の連続観測(毎分値)を同点で開始した。この連続観測用のプロトンスカラー絶対磁力計の設置時には馬路基準点において地磁気三成分の絶対観測も実施し,既設のフラックスゲート型ベクトル磁力計の基線値も確定した。この絶対観測と全磁力値の連続観測により,馬路基準点における地磁気ベクトル観測の基線変化の上限が推定でき,室戸観測点と馬路基準点との地磁気ベクトル差データにも必然的に現れる基線変化の不確定さを軽減する事ができるようになった。 一方,室戸観測点では,国土地理院地磁気係の協力を得て,八月以降には毎秒値をインターネット経由で取得できる様になった。これにより,馬路基準点からの地磁気三成分リアルタイムデータを差し引いて,室戸ー馬路の地磁気ベクトル差リアルタイムモニタリングが可能になり,本研究で目標とした津波電磁場の観測システムは一応の完成をみた。 しかし,八月上旬に四国に上陸した台風11号に伴う大雨と落雷の為,馬路基準点のベクトル磁力計の故障および同点における長期停電が発生し,その復旧に12月下旬までを要した。その結果,馬路基準点においては約四ヶ月の欠測期間が生じてしまったが,幸い室戸観測点には,この台風による影響は無かった。 これら平成26年度の成果により,来るべき南海/東南海地震の際の津波災害軽減に向け,津波電磁場の事例研究を実施する態勢が整った。
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