2014 Fiscal Year Research-status Report
海洋ダイナモ効果を利用した海底下浅部構造の精密探査
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25610136
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
浜野 洋三 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球深部ダイナミクス研究分野, 特任上席研究員 (90011709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 裕子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球深部ダイナミクス研究分野, 主任研究員 (00359184)
多田 訓子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球深部ダイナミクス研究分野, 技術研究員 (00509713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海底電磁気観測 / 海底圧力観測 / 電気伝導度構造 / 海洋ダイナモ効果 / 構造探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
深海底での浅部(深さ10km程度まで)電磁気構造は、熱水鉱床やメタンハイドレート等の資源探査や、地震・津波の発生源であるプレート沈み込み境界近傍での水の分布・移動の調査等に極めて有効である。しかし、高層大気を流れる電流による外部起源電磁場変動を海底で観測する従来の手法は、短周期電磁場変動が海水中で減衰するため、海底下浅部構造探査に使用するのは難しい。本研究では、海洋ダイナモ効果によって海水中に生じる電流を信号源とする短周期(1秒~1000秒)の電磁場変動を海底で観測することによって、従来困難であった深海底下の浅部電磁気構造を探査する新しい手法を開発し、実用的に使用できるようにすることを目的としている。初年度である平成25年度は、海底で磁場3成分、電場2成分、圧力変化1成分を測定することによって、海底下の電気伝導度構造を推定するための定式化を、ほぼ完成させた。一方観測面では、従来の電磁場変動の観測では1分あるいは2分間隔の観測が行われていたが、本研究では短周期変動の観測が必要とされる。このため、平成25年度及び平成26年度については、電場変動を圧力変化と同じく1Hzでサンプリングする新しい観測装置(ベクトル津波計)を開発・製作し、2012年11月20日-2013年2月9日に四国海盆で、及び2014年3月13日-2014年9月11日に東北沖で、それぞれ長期観測を実施し、この全期間の電磁場変動と圧力変動の記録を得ることができた。これらの観測結果を使って現在解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論の定式化はほぼ予定通りに進展しているが、予定された航海が実施されなかったために、新たな観測記録の取得が少し遅れている。このため電磁場変動については毎分値の記録のみを用いて解析を行える様に、理論の拡張を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の解析に必要とされるのは、圧力変化の観測と電磁場変動の観測が同時に観測されている記録であり、これらの観測場所は四国海盆及び東北沖の2カ所に限られている。これらのデータを詳細に解析することで、この2カ所の海底下先負構造を推定することをめざす。
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Causes of Carryover |
予定した航海の応募が採択されず、実施されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に航海が実施される予定であるため、その旅費、消耗品にあてる。
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