2013 Fiscal Year Research-status Report
衛星観測と数値モデルで抽出するエアロゾル第2種間接効果の雲微物理場と環境場の関係
Project/Area Number |
25610142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河本 和明 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (10353450)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 雲とエアロゾルの相互作用 / 衛星観測 / 数値モデルとの比較 |
Research Abstract |
初年度である今年度は、人工衛星データから得られる各種物理プロダクトの整理と予備的な解析、また他の共同研究者との連絡調整を主に行った。 まず九州大学応用力学研究所で開発されているCloud-Aerosol Lidar and Infrared Pathfinder Satellite Observations (CALIPSO)とCloudSatプロダクトの特徴の抽出を行った。このプロダクトでは、氷雲の有効粒径、光学的厚さ、氷水量、氷晶数密度などの微物理特性が提供されている。氷雲と過冷却水滴の存在比の地理的な違いや雲頂高度の緯度依存性、縦軸に氷粒子数を取り、横軸に氷水量を取って最大レーダ反射率(雲内での降水の強度の指標となる)をプロットする等の解析を行った。 また非静力学雲解像モデルであるCReSS (Cloud Resolving Storm Simulator)から出力される雲特性とCloudSat衛星に搭載されているCloud Profiling Radar(CPR)データとの比較を行った。冬の寒気吹き出し時の日本付近の雲を対象に比較し、CReSSから計算される液相と固相を合わせた凝結水と、CPRが受信するレーダ反射率を比較したところ、雲頂高度の頻度など空間的な分布についてCReSSの出力は概ね観測結果を再現できていることがわかった。しかし数値モデルからの出力と衛星プロダクトを比較する場合の時空間的代表性には更なる検討の余地がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した目的や手法、解析内容に照らして、上記の現時点での達成度はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した内容に沿い、人工衛星データの解析を進めながら、数値モデルとの比較やその考察を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費として学生によるデータ整理の経費を計上していたが、開始が遅れたため。全体の研究計画に変更はない。 今年度は4月から学生によるデータ整理を開始し、また打ち合わせ等による出張を定期的に行う。
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