2013 Fiscal Year Research-status Report
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25610153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 昭夫 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20281975)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粘度 / 高圧力 / マントル / マグマ / フルイド / 放射光 |
Research Abstract |
マグマやフルイドは地球内部での元素移動に重要な役割を担っている。このため、地球内部環境でのこれらの物性を知ることは、分化過程を理解する上で不可欠である。我々は地球内部の流体の物性測定に従事してきたが、本研究では粘度を対象とする。地球内部環境である高温高圧力下での粘度測定には幾つかの方法があるが、広く用いられているのは落球法である。落球法は流体の中を落下する球の終速度を測定して粘度を求める方法である。特にマグマのような高温流体では、マルチアンビル型高圧発生装置と放射光を使ったX線イメージング落球法が主流である。しかしながら、一般に落球粘度測定は1回の高圧実験につき1回しか行うことができないため、様々な温度圧力での粘度を調べるには多数回の実験が必要となり非常に時間がかかる。そこで本研究では、高圧発生装置を上下反転できるように回転ステージに取り付け、X線イメージング落球法で粘度測定を繰り返し行える装置を開発することを目的としている。ところが、交付額の都合により、計画していた装置の作成はできないことが分かった。このため、サイズを大幅に縮小して作成することにした。サイズダウンにより、発生圧力および試料容積が減ることとなった。また、高圧セル内部にヒーターを組み込むことができなくなったため、内熱式ではなく、高圧発生装置にリボンヒーターを巻いた外熱式で加熱することにした。今年度は回転ステージへの搭載重量の制約から、小型の高圧発生装置を導入し、圧力発生試験および放射光を使った粘度測定実験を行った。 実験は高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設であるPF-ARのNE7Aステーションで行った。その結果、シリコーンオイルなど数種類の液体について、条件を変えながら繰り返し測定が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
配分額の都合上、当初想定していた耐荷重の回転装置は作成できないこととなったが、大幅にサイズダウンしたとはいえ想定していたものと同様の仕組みの装置を用意できた。高圧発生装置についても、当初予定していたサイズのものが搭載できないことになり、非常に小型のものを用意することになった。以上のような変更の必要は生じたものの、高エネルギー加速器研究機構の共同利用課題申請は年度後半から採択され、放射光X線を用いたイメージング落球法による粘度測定を行うことができた。また、装置の動作試験は予定通りに行われ、放射光を用いたX線イメージング装置との組み合わせでも想定通りの稼働状況であった。X線イメージ撮影用のカメラは、回転装置を作動させたときに試料付近が常に撮像範囲に納まっている必要がある。一方で落球速度の測定には十分な解像度と撮影速度が必要となる。ビームラインにあったカメラは、テスト撮影の結果本研究で必要とされる性能を満たしていないことが分かったが、年度内に代替品を用意できたため実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は様々な試料を用意し、高温高圧力下で本格的に粘度測定を行う。シリコーンオイル、Daphne7373、グリセリンなどを試料として1-10GPaの圧力範囲で0.5GPa毎に実験する。高圧発生装置の大きさの都合上、加熱には当初予定していた内熱式のヒーターを用いることはできなくなった。このため、高圧装置の中心部を外熱式で加熱することになる。上限温度は500K程度が限界と思われるが、内熱式と比べて安定した加熱制御および均質な温度場が実現できるため、これらについてはむしろ外熱式の利点といえ、温度に敏感な粘度の測定には好都合であろう。高エネルギー加速器研究機構の年間運転時間が大幅に減少することになったことは懸念されるものの、取得できたビームタイムの範囲で可能な限り測定点を増やすつもりである。また、本研究で得られた成果をもとに、高温流体であるマグマの粘度測定ができるような実用的な装置の導入を目指すべく、次の科学研究費補助金の申請を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時の計画では、高エネルギー加速器研究機構が所有するパリ‐エジンバラ型高圧発生装置(約50kg)を搭載する回転ステージを試作するつもりであった。ところが配分額ではそのような重量の物品が搭載可能なステージを作成するのに不十分であった。このため、本予算で超小型の圧力発生装置(約1 kg)を購入し、それを搭載できるステージを用意した。このため、連動して購入物品も変更を余儀なくされ、たとえば小型圧力発生装置用の周辺機器が必要となった。一方、ステージ耐荷重を大幅に下げたため、費用に差が生じた。 差額分は主に実験用消耗品の購入に充てる。たとえば、実験試料を入れるための高圧セルは、セラミックを加工する。また、セルの中央に仕込む試料容器は樹脂やアルミニウムなどを加工する。これらの加工には、ドリルやエンドミルなどの工具を用いる。さらに、セルを加熱するためにリボンヒーターを用意する。試料そのものについても購入して補充する。以上のような当初予定していなかった消耗品の購入などに使用する。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Creep behavior during the eutectoid transformation of albite: Implications for the slab deformation in the lower mantle.2014
Author(s)
Doi, N., Kato, T., Kubo, T., Noda, M., Shiraishi, R., Suzuki, A., Ohtani, E., Kikegawa, T.
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Journal Title
Earth and Planetary Science Letters
Volume: 388
Pages: 92-97
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effect of water in depleted mantle on post-spinel transition and implication for 660 km seismic discontinuity.2013
Author(s)
Ghosh, S., Ohtani, E., Litasov, K.D., Suzuki, A., Dobson, D., Funakoshi, K.
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Journal Title
Earth and Planetary Science Letters
Volume: 371-372
Pages: 103-111
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Density of Fe-3.5 wt% C liquid at high pressure and temperature and the effect of carbon on the density of the molten iron.2013
Author(s)
Shimoyama, Y., Terasaki, H., Ohtani, E., Urakawa, S., Takubo, Y., Nishida, K., Suzuki, A., Katayama, Y.
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Journal Title
Physics of the Earth and Planetary Interiors
Volume: 224
Pages: 77-82
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ponded melt at the boundary between the lithosphere and asthenosphere.2013
Author(s)
Sakamaki, T., Suzuki, A., Ohtani, E., Terasaki, H., Urakawa, S., Katayama, Y., Funakoshi, K., Wang, Y., Hernlund, J., Ballmer, S.
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Journal Title
Nature Geoscience
Volume: 6
Pages: 1041-1044
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rheology of fine-grained forsterite aggregate at deep upper mantle conditions.2013
Author(s)
Nishihara, Y., Ohuchi, T., Kawazoe, T., Spengler, D., Tasaka, M., Hiraga, T., Kikegawa, T., Suzuki, A., Ohtani, E.
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Journal Title
Journal of Geophysical Research
Volume: 119
Pages: 253-273
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] P-V-T equation of state of Na-majorite to 21 GPa and 1673 K.2013
Author(s)
Dymshits, A., Litasov, K.D., Shatskiy, A., Sharygin, I.S., Ohtani, E., Suzuki, A., Pokhilenko, N.P.
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Journal Title
Physics of the Earth and Planetary Interiors
Volume: 388
Pages: 68-75
DOI
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[Presentation] Silicate-C-O-H-N fluids and melts at upper mantle temperatures, pressures, and redox conditions.
Author(s)
Mysen, B., Tomita, T., Ohtani, E., Suzuki, A.
Organizer
Japan Geoscience Union Meeting 2013
Place of Presentation
Chiba, Japan
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[Presentation] The effect of carbon on density and elastic property of liquid Fe-C under high pressure.
Author(s)
Shimoyama, Y., Terasaki, H., Ohtani, E., Urakawa, S., Takubo, Y., Nishida, K., Suzuki, A., Katayama, Y.
Organizer
Japan Geoscience Union Meeting 2013
Place of Presentation
Chiba, Japan
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[Presentation] Effect of water in depleted mantle on post-spinel transition and implication for 660 km seismic discontinuity.
Author(s)
Ghosh, S., Ohtani, E., Suzuki, A., Dobson, D.P., Funakoshi, K.
Organizer
AGU 2013 Fall Meeting
Place of Presentation
San Francisco, USA
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[Presentation] Synthesis of seifertite and its applications to shocked meteorites.
Author(s)
Page, M.E., Ohtani, E., Suzuki, A., Asaraha, Y., Saxena, S.
Organizer
AGU 2013 Fall Meeting
Place of Presentation
San Francisco, USA
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