2013 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル化学種分析法を駆使した海底下生命圏研究の新展開
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25610164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
光延 聖 静岡県立大学, 付置研究所, 助教 (70537951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 史人 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30626908)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シングルセル分析 / X線顕微鏡 |
Research Abstract |
平成25年度は、シングルセルレベルでの化学種決定を目指すために、高い空間分解能を有する分光法であるマイクロXAFSや走査型透過X線顕微鏡(STXM)を、微生物-鉱物共存試料へ適用する際の手法確立を進めた。 モデル系として鉄酸化バクテリアによる硫化鉄鉱物(パイライト)の溶解反応を選択した。STXMの空間分解能は、マイクロXAFSなどに比べると2桁程度高い。これまで日本にはSTXMビームラインはなかったが、平成25年度から分子科学研究所(岡崎)や高エネルギー加速器研究機構(つくば)に導入されたSTXMビームラインを用いて実験をおこなった。現状、約50 nm程度の空間分解能で軽元素(炭素、窒素、酸素)の化学状態分析をおこなうことに成功している。微生物細胞は通常数ミクロンであるため、STXMの空間分解能であれば、十分シングルセルレベルでの観察が可能であり、今後は(1)FISH等の染色法との併用、(2)様々な物質の混合物である環境試料へ応用する際の手法確立を目指して研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目的である、X線顕微鏡を利用した化学種決定法の確立はほぼ達成できており、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は(1)X線顕微鏡とFISH等の染色法との併用、(2)様々な物質の混合物である環境試料へX線顕微鏡を応用する際の手法確立を目指して、汎用性の高いシングルセル化学種決定手法の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた放射光実験が中止変更となったため、備品購入や出張旅費が当初予定額よりすくなり、次年度使用額が生じた。 予定していた放射光実験は、次年度に行なわれることが決定しており、そのための備品購入や出張旅費として使用する。
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