2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25620005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高岡 毅 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (90261479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 隆 近畿大学, 農学部, 教授 (00278730)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不斉合成 / 走査型トンネル顕微鏡 / 分子線 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの有機化合物には不斉炭素原子が含まれている。そのため、目的とする有機化合物だけでなく、鏡像異性体(エナンチオマー)も容易に合成されうる。目的とするエナンチオマーのみを合成する“不斉合成”が注目を集め、精力的に研究が行われてきた。本研究では、不斉補助基や基質の物理化学的特性(旋光性など)を利用せず、不斉合成を人為的にコントロールする事によって行う“絶対不斉合成”の画期的な技術を、ナノテクノロジー分野の技術を利用する事によって開発することを目指す。 平成25年度の実験結果を元に、実験設備の準備を行い、分子の絶対不斉合成を目指した実験を行った。高いエナンチオマー選択率を保ちながら、大量に分子を合成することを目標に 研究を進めた。本研究では、基質分子を吸着させておいた固体表面に、反応剤分子を照射したときの不斉合成反応を超高真空 装置内のSTM を用いて観測する。基質分子を超高真空装置内に直接導入するために微量の流量調節機構を持つ分 子導入系を製作した。また、反応剤分子は、超音速分子線として、基質分子が吸着した試料表面に照射する。超 音速分子線は、ノズルと呼ばれる数十μm の穴の開いた容器の内部から気体分子が噴出する事を利用する。気体 分子噴出部の温度調整により気体分子の持つ運動エネルギーを制御する事ができる。この装置の準備を行った。に、反応剤分子導 入機構を作成して設置する。分子の絶対不斉合成実験は、超高真空装置内で正常化した金属表面上に不斉合成反応の基質分子を吸着させたのちに反応剤として作用する分子を特定のエネルギーで特定の方向から照射する事によって人為的にコントロールする事を行った。この実験を進める上で非常に意義深い進展が見られた。
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Research Products
(2 results)