2013 Fiscal Year Research-status Report
ジグザグ型カーボンナノチューブ部分構造としての環状アセンキノンの合成とその連結
Project/Area Number |
25620022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
秋根 茂久 金沢大学, 物質化学系, 教授 (30323265)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ナノチューブ / ポリアセン / キノン / 大環状化合物 / 多環芳香族 |
Research Abstract |
本研究では、ジグザグ型カーボンナノチューブの部分構造として重要な分子である環状アセン類縁体の合成を目指し、ポリアセン誘導体の連結による大環状構造の構築とそのゲスト認識能についての検討を進めている。具体的には、構成要素としてペンチプチセンキノンやペンタセンキノンを選び、これらを環状に連結する反応について検討を行った。複数分子のペンチプチセンキノンやペンタセンキノンをC-C結合生成やエーテル生成反応により連結する反応を行ったところ、多くの場合で複雑な混合物となり、目的とする大環状化合物を得るには至っていない。その一方で、B-O結合等の動的共有結合や超分子的な相互作用を使うと高効率で大環状化合物が生成することを見いだした。従って、目的とするチューブ部分構造の構築には可逆な結合の利用が有効であるということがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたような、複数分子のペンチプチセンやペンタセンキノンをC-C結合生成やエーテル生成反応により連結していき大環状化合物を得る反応は想定通りに進まなかったが、その一方で、動的共有結合や超分子的な相互作用を使うと高収率で大環状化合物が生成することを見いだした。チューブ部分構造の構築には可逆な結合の利用が効果的であるという研究の方向性を示すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
チューブ部分構造となる大環状構造の構築には、動的共有結合や超分子的相互作用の利用が有効であることがわかったので、今後はペンチプチセンキノンやペンタセンキノンをさまざまな動的共有結合や超分子的相互作用により連結して大環状構造を得る検討を行い、その性質を調べていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の異動のため研究実施体制に変更があり、より多くの予算を平成26年度に配分する必要が生じたため。 新体制において研究を推進するため、各種実験機器および試薬類を購入する予定である。また、成果発表のための旅費や論文投稿料として使用する予定である。
|
Research Products
(23 results)