2013 Fiscal Year Research-status Report
堅固な平面性大環状パイ共役拡張アセンオリゴマーの合成と超分子化学
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25620029
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40225503)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 分子自己集合 / 超分子 / アントラセン / パイ共役拡張 / パイスタッキング / ナノワイヤー |
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| Research Abstract |
本研究では、我々が見出した2,7-ジボリルアントラセンを合成鍵中間体として、アントラセンを含む世界初の「堅固な平面性大環状パイ共役拡張アントラセンオリゴマー」等を合成し、超分子化学的戦略に従って自己組織化させることにより、堅固な平面性大環状パイ共役拡張アセンオリゴマーのパイスタック分子集合ナノワイヤー(ナノチューブ)の構築と機能探索を目的としている。
我々は、予備的知見として、環外側鎖Rにオクチル(C8H17)エステル基を有する堅固な平面性大環状パイ共役拡張アントラセンオリゴマー（2,7-アントリルエチニル-1,3-フェニルエニチル環状三量体）1aを合成し、また、1aはCDCl3溶液中でパイ-パイスタッキングして自己会合すること、そのドロップキャスト膜は、SEM観察から直径約0.2マイクロメートル、長さ数10 マイクロメートル以上のナノファイバーを形成していることを見出している。
本年度は、環外側鎖Rに不斉長鎖アルキルエステル基または不斉分岐長鎖アルキルエステル基を有するアントラセンオリゴマー1b, 1cの合成を達成した。そして、1aと1bのCHCl3溶液からのドロップキャスト膜を作成し、XRDとGIXD測定を行った。その結果、1a, 1b共に、XRD測定からは、1は、ヘキサゴナルパッキング構造を形成していること、また、c軸方向に約1.9 nmの周期構造を有することがわかった。1のパイスタックが約0.34 nmと考えると、1は5~6分子で１周期のラセン状パイスタックカラムを形成していると考えられる。GIXD測定からも、低角領域でヘキサゴナル構造を示すスポットが観測された。また、広角領域では赤道方向に帯状のスポットが現れたことから、1のパイスタックカラムは基板平面に対して水平配向していることがわかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、堅固な平面性大環状パイ共役拡張アントラセンオリゴマーとして、種々のアルキル鎖を有する2,7-アントリルエチニル-1,3-フェニルエニチル環状三量体の合成方法を確立した。そして、それら堅固な平面性大環状パイ共役拡張アントラセンオリゴマーは、ドロップキャスト膜において、芳香環同士のパイスタッキングとアルキル鎖間のファンデルワースル相互作用により、ラセン状パイスタックカラムを形成し、それらがヘキサゴナルパッキング構造にバンドル化して、パイスタック分子集合ナノワイヤーを形成することを明らかにした。以上のことから、本研究は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
１．本年度合成と分子集合性の確認を達成した堅固な平面性を有する2,7-アントリルエチニル-1,3-フェニルエニチル環状三量体のドロップキャスト膜(分子集合ナノワイヤー)をFP-TRMC (Field-Induced Time-Resolved Microwave Conductivity)測定して、分子集合ナノワイヤーの電荷移動度能に基づく分子素子への可能性を検討する。
２．新規に、アントラセン環とアセチレン結合のみから成る2,7-アントリルエチニル環状６量体の合成に挑戦し、その分子集合性と電荷移動度能を評価する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への繰越額は￥1,610である。
消耗品費として使用する。
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Research Products
(3 results)
