2014 Fiscal Year Annual Research Report
堅固な平面性大環状パイ共役拡張アセンオリゴマーの合成と超分子化学
Project/Area Number |
25620029
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40225503)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分子自己集合 / 超分子 / アントラセン / パイ共役拡張 / パイスタッキング / ナノワイヤー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アントラセンを含む世界初の「堅固な平面性大環状パイ共役拡張アントラセンオリゴマー」を合成し、自己組織化させることにより、堅固な平面性大環状パイ共役拡張アセンオリゴマーのパイスタック分子集合ナノワイヤー(ナノチューブ)の構築と機能探索を目的としている。 昨年度合成と分子集合性の確認を達成した堅固な平面性を有する2,7-アントリルエチニル-1,3-フェニルエニチル環状三量体のドロップキャスト膜(分子集合ナノワイヤー)のFP-TRMC測定を行ったが、その分子集合ナノワイヤーはほとんど電荷移動度能を示さないことが判明した。 そこで、より高い電荷移動度能が期待されるアントラセン環とアセチレン結合のみから成る3,6-(9-置換-)アントリルエチニレン環状6量体の合成に挑戦した。まず、9-(トリイソプロピルシリル)エチニルアントラセン(9-TIPSエチニルアントラセン)を合成し、Ir触媒による直接ホウ素化を検討した結果、選択的に2,6-ジボリル化体と目的とする3,6-ジボリル化体が生成し、分取リサイクルHPLCによって両者を分離精製できることがわかった。そして、3,6-ジボリル化体を合成鍵中間体として、ボリル基の臭素基への変換、また、水酸基およびOTf基への変換に成功した。そして、3,6-ジOTf-9-TIPSエチニルアントラセンから、薗頭クロスカップリング反応と選択的脱保護により、3,6-ジエチニル-9-TIPSエチニルアントラセンを合成した。そして、3,6-ジOTf-9-TIPSエチニルアントラセンと3,6-ジエチニル-9-TIPSエチニルアントラセンとの薗頭クロスカップリング反応により、収率はわずか6%であったが、目的とする3,6-(9-TIPSエチニル)アントリルエチニレン環状6量体の合成を達成した。
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