2013 Fiscal Year Research-status Report
プルシャンブルー類似体へのナトリウムイオンインターカレーション
Project/Area Number |
25620036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守友 浩 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00283466)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プルシャンブルー類似体 / Naイオン二次電池 / Naイオンターカレーション |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究で、プルシャンブルー類似体薄膜はLiイオン二次電池の正極材料として由棒であることが分かっている。特に、プルシャンブルー類似体はナノポーラスな構造を有しているため、(1)Liイオン拡散係数が大きいだけでなく、(2)Liイオン挿入に対してホスト格子が編んで、であるとい利点がある。 本研究では、プルシャンブルー類似体が次世代二次電池であるNaイオン二次電池の正極材料としての特性を下記らかにすることを目的としている。まず、マンガンプルシャンブルー類似体薄膜を作成し、Naイオンターカレーション特性を調べた。放電容量は109mAh/g、Na金属に対する平均電圧3.4V、そして、良好なサイクル特性を示した。このことより、マンガンプルシャンブルー類似体薄膜は、Naイオン電池の正極材料として有望であると考えられる。特に、Na体は直接合成が可能であるため、実用性の見地からは、マンガンプルシャンブルー類似体はNaイオン二次電池に使われるべきである。さらに、Naイオン挿入に伴うホスト格子の電子状態をex situのX線吸収分光折で調べた。マンガンプルシャンブルー類似体は二つのプラトー(3.6Vと3.2V)を示す。第一プラトーはマンガンの還元に対応し、第二プラトーは鉄の還元に対応する。この還元サイトの同定は、Liイオン二次電池の場合と同じである。さらに、Naイオン挿入に伴うホスト格子の構造をex situのX線粉末回折で調べた。第一プラトーでは格子定数が急激に増大したが、第二プラトーでは格子定数はほぼ一定であった。第一プラトーでの格子定数の変化は、Mnイオン還元に伴うイオン半径の増大に起因する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予想通り、プルシャンブルー類似体がNaイオン二次電池の正極材料としての良好な特性を示したため。また、Naイオン二次電池に関する、実験ノウハウが充分に蓄積されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.コバルトプルシャンブルー類似体のNaイオン二次電池の正極材料としての特性を明らかにする 2.鉄サイトを他の遷移金属に置換した材料を合成し、そのNaイオン二次電池の正極材料としての特性を明らかにする 3.同一材料において、Na拡散係数とLi拡散係数の値を決定する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は人件費を支払い研究を進める予定であった。が、その必要がなくなった。(熱心な大学院生が在籍していたため、研究が予定以上に進んだ。) H26年度は、科学研究費補助金を用いて研究員を雇用し、研究をさらに推進する。
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Research Products
(11 results)