2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25620037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 良太 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80453843)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジチオレン / ナノシート / 分子エレクトロニクス / ディラック電子系 / 金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、メタラジチオレンπ共役ナノシートのデバイス化に近づくために、SEMによる制御下での四探針法による導電性の測定を行った。この追究においては、メタラジチオレンπ共役ナノシートの酸化状態を化学的に変化させ、これによる導電性の変調についても測定を行った。その結果、配位高分子としては極めて高い導電性(160 S/cm)の発見と、酸化状態のコントロールによる、20倍以上の導電性の変調を観測した。化学的な酸化状態の制御は、静電的なドーピングによるフェルミ準位の制御に大きく関連しており、電子デバイスへの応用が期待される成果である。本研究成果をアメリカ化学会の最重要ジャーナルである、J. Am. Chem. Soc.に発表した。 また、バリエーションの拡張にも取り組んだ。新たな配位子・金属イオンの組み合わせを試行した。論文発表前につき詳細は省略するが、一部分については論文としてまとめる目処がついた。延長された研究期間内には発表したい。 この他、本研究課題に関連して、他の金属錯体をモチーフとするπ共役ナノシートについて研究の進展が見られた。ビス(テルピリジン)金属錯体をベースとするものについては、電子ペーパーへの展開が可能なエレクトロクロミック材料であることを発見した。一方、ビス(ジピリナト)金属錯体をモチーフとするナノシートについては、太陽電池への応用が期待される成果を得た。π共役金属錯体ナノシートが魅力的なナノ材料となりうることを示す、重要な研究成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四探針法による導電性測定は電子デバイス化に向けた確かな一歩を刻んだ。一方で実デバイス作成にはさらなる努力が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究延長期間内には、電子デバイス化のきっかけとなるような研究成果を挙げる努力を行う。バリエーション拡張の成果については、論文発表を行いたい。
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Causes of Carryover |
実デバイス作成のチャレンジと、バリエーション拡張に関する論文発表を行う必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品と論文発表にかかる費用(英文校正、カラー印刷代)などに支出する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Redox Control and High Conductivity of Nickel Bis(dithiolene) Complex π-Nanosheet: A Potential Organic Two-Dimensional Topological Insulator2014
Author(s)
Tetsuya Kambe, Ryota Sakamoto, Tetsuro Kusamoto, Tigmansu Pal, Naoya Fukui, Takahiro Shimojima, Zhengfei Wang, Toru Hirahara, Kyoko Ishizaka, Shuji Hasegawa, Feng Liu, Hiroshi Nishihara
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 136
Pages: 14357-14360
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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