2013 Fiscal Year Research-status Report
酸化―増核シーケンスに基づく一次元金属鎖分子の構築
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25620049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 教授 (40314380)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属鎖分子 / 金属クラスター |
Research Abstract |
本研究では、増核反応―酸化反応―増核反応を連続的におこなうことによって、一次元金属鎖分子を効率的かつ高収率に合成する手法を開発することを目的とする。平成25年度では、1,2-ビスフェニルブタジエニルベンゼン配位子を用いて増核反応―酸化反応―増核反応の合成シーケンスの実現を目指して研究を遂行した。その結果、1,2-ビスフェニルブタジエニルベンゼン配位子間に4核パラジウム種を導入する段階(第一段階増核反応)に関する機構的知見を得た。既に第2段階の酸化反応については詳細な知見を得ている(Murahashi et al. Nature Chem. 2012)ことから、続いて第3段階の酸化体からの再増核反応について検討をおこない、この反応が進行することをNMRスペクトル解析により見出した。この結果は、増核反応―酸化反応―増核反応を連続的におこなうことによって一次元金属鎖分子を構築できることを示す端緒となる結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、増核反応―酸化反応―増核反応を連続的におこなうことによって、一次元金属鎖分子を効率的かつ高収率に合成する手法を開発することを目的としており、1,2-ビスフェニルブタジエニルベンゼン配位子を用いてこの合成シーケンスが有効であることを示す端緒となる結果を得た。よって本研究は概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに増核反応―酸化反応―増核反応シーケンスが一次元金属鎖分子を構築するための有用な手法になりうることを示す端緒となる知見を得た。今後は、酸化体の増核により生成する増核体の同定をおこない、論文発表を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3/31までに納品した消耗品の支払いが3/31までに完了せず、翌月となったため 3/31までに支払いが完了していなかった物品の支払い
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Research Products
(3 results)