2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25620060
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (70379543)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合成化学 / 構造 / 超分子化学 / 共役分子 / ナノワイヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
人工タンパク質の実現は長年の課題であり、機能の観点においてタンパク質を凌駕する分子材料は多く開発されているが、立体構造制御性は遠く及ばない。本研究では、アミノ酸やヌクレオチドに頼らない完全人工系による配列-立体構造完全相関系の有機分子の探索を目的とした。本年度は、α、β位で連結させたオリゴチアゾールの設計・合成ならびに構造評価を行った。α、β連結オリゴチアゾールはその配列様式により多数の構造異性体が考えられる。その中でも、頭尾連結様式を有するオリゴチアゾールが3,4,6,8量体において螺旋構造が形成されていることを見出した。特に、頭尾接続6量体については、結晶化に際して、アキラル分子にもかかわらず、同じ巻き方向の螺旋分子で結晶化するキラル結晶化を示した。 また、頭尾連結において、頭尾接続の配列が逆転する頭-頭接続点を導入することで、オリゴマーに光応答性を導入することに成功した。この光応答性はオリゴマー主鎖骨格のcis-cisoid連結二重結合の6π光電子環状反応に基づく。α-β連結オリゴチアゾール6量体において、異なる位置に頭-頭接続点を導入した光応答性オリゴマーを合成した。これらのオリゴマーはNMR測定から、溶液中においてヘリックス構造を有することが示唆された。また、頭-頭接続の導入位置に依存して、異なる光反応性を示した。さらに、光照射による6π電子環状反応は、可逆的にヘリックス構造の崩壊-再構成のダイナミックな構造変換を導いた。
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Research Products
(9 results)