2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25620069
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 尚志 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (40391221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属錯体 / 液体 / フタロシアニン / ポルフィリン / エレクトロクロミック / 磁性 / 白色発光 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
挑戦的萌芽研究においては、研究責任者独自の分子設計指針のもと進められている常温液状分子材料の中でも、特に機能性コア部位として金属錯体を有する液体材料の開発に取り組んだ。ここで取り入れている独自の分子設計とは、光や電気・磁気的機能を司る機能性分子コアとして、金属イオンと有機配位子からなる金属錯体を採用し、その周りに共有結合的に嵩高く、柔軟性に富んだ分岐アルキル鎖を導入することで、コア部位間の分子間相互作用が生じない上に、粘性が低く、融点も室温以下といった加工性に優れた分子性液体材料として仕立てる戦略である。 最終年度は、コアとする部位にダブルデッカー型ルテチウム錯体を採用し、この錯体の有する異なる酸化状態を用いた磁性応答のon-off、同じく酸化状態に依存するエレクトロクロミック特性、並びにディスコティック液晶様に分子配列した際に発揮される光導電性などの機能を兼ね備えた自己組織化制御されたソフト材料の創成に主に従事した。ダブルデッカー型ルテチウム錯体周りに配置する分岐アルキル鎖の鎖長の選択により、常温において固体もしくは液体の化合物を得ることに成功した。それぞれの分子が希薄溶液分散状態において、固有の分子機能として酸化状態を制御可能であること、それに伴うエレクトロクロミック特性を確認した。また、溶媒フリーの状態においても、エレクトロクロミック機能が達成可能なこと、分子配列に依存する光導電性の差違を明らかにした。 その他取り組んだ金属錯体系としては、様々な常温液状のポルフィリン、単分子白色(様)発光が可能な液状のイリジウム錯体の創成に取り組んだ。また、金属錯体との対比として、機能性コア部位にπ共役系分子群を用いた分子性液体に関しても同時に検討を進め、機能性分子液体の材料戦略の妥当性を証明した。これらの研究成果は現在研究を継続しており、細部まで評価した後に学術論文として発表する。
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[Journal Article] Directed assembly of optoelectronically active alkyl-π-conjugated molecules by adding n-alkanes or π-conjugated species2014
Author(s)
Martin J. Hollamby, Maciej Karny, Paul H. H. Bomans, Nico A. J. M. Sommerdijk, Akinori Saeki, Shu Seki, Hiroyuki Minamikawa, Isabelle Grillo, Brian R. Pauw, Paul Brown, Julian Eastoe, Helmuth Moehwald, Takashi Nakanishi
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Journal Title
Nature Chemistry
Volume: 6
Pages: 690-696
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Book] Fullerenes and Other Carbon-Rich Nanostructures2014
Author(s)
Yanfei Shen, Takashi Nakanishi, Yuming Zhao, Guang Chen, Anna Troeger, Vito Sgobba, Dirk M. Guldi, Delphine Felder-Flesch, Andrés de la Escosura, Olga Trukhina, Tomás Torres, Riccardo Marega, Davide Giust, Davide Bonifazi, Stephanie Frankenberger, Johanna A. Januszewski, Rik R. Tykwinski
Total Pages
257 (1-22)
Publisher
Springer
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