2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子触媒による酸化的炭素-炭素カップリング反応
Project/Area Number |
25620078
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
UYANIK Muhammet 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20452188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 合成化学 / 有機化学 / 酸化的カップリング / ビアリール |
Research Abstract |
ビアリール化合物は、生理活性化合物や有機機能性材料に含まれる有用な分子骨格であり、その効率的な製造法が強く求められている。本研究では遷移金属・重金属の代替元素としてヨウ素に注目し、ヨウ素系触媒による直截的炭素-炭素カップリング反応を開拓した。具体的には触媒量のヨウ化物と化学量論量の過酸化水素水を用い、フェノールのような芳香族アルコール間の位置及び立体選択的炭素-炭素ホモカップリング反応を開拓した。その結果、様々なフェノール類の酸化反応において、対応するビフェノールが、基質によっては過剰酸化生成物のジフェノキノンが、それぞれ選択的に高収率で得られた。本手法は遷移金属を一切用いず、安全・安価な共酸化剤を用い、温和な条件下で反応が進行し、酸化剤由来の副生成物は水のみである等の様々な特徴がある。 一方、アリールキノン骨格も生理活性化合物に含まれる有用な分子構造である。これまでに数多くの合成法が報告されているが、ルイス酸触媒を用いる電子豊富なアリール化合物のキノンへのマイケル付加及びそれに続く酸化反応によってアリールキノンを合成する方法は有用な手法の一つである。また、ヒドロキノンとアリール化合物を酸化的カップリングさせるタンデム型反応も報告されているが、従来法では高価で毒性の高い遷移金属が用いられていることや、反応終了後に酸化剤由来の不要物質が大量に生成するなど、様々な課題が残されている。本研究では触媒量のヨウ化物と過酸化水素からin situで調製される次亜ヨウ素酸塩触媒を用いて、ヒドロキノンを酸化し、キノンを得ることに成功した。また、アルカリ・アルカリ土類金属の嵩高いボラート塩ルイス酸触媒6を用いることにより、酸化で得られたキノンとアリール化合物とのワンポッドクロスカップリング反応に成功した。このタンデム型反応により様々なアリールキノンが高収率で得られた。
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Research Products
(4 results)