2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25620080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大江 浩一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90213636)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 励起状態プロトン移動 / スピロ構造 / イミダゾール / フルオレン |
Research Abstract |
励起状態プロトン移動(ESIPT)により橙色発光を示す2-(3-ヒドロキシ-2-ナフチル)イミダゾールを剛直なスピ ロ構造を介して青色発光を示すフルオレンと連結させた分子を設計し、補色混合による単分子白色発光分子の調査を行った。 本年度は、スピロ構造中の各種置換基と白色発光性能の相関を明らかにする目的で、各種スピロ化合物誘導体を合成した。橙色発光を示す2-(3-ヒドロキシ-2-ナフチル)イミダゾールの1位に、電子状態の異なる各種アリール基Ar (Ar = C6H5, 4-HOC6H4, 4-FC6H4, 3-CF3C6H4)を、青色発光を示すフルオレンの2,7位に各種芳香族複素環をそれぞれ導入したスピロ化合物を合成し、青色および橙色発光強度比およびそれに由来する発光色の変化を調査した。その結果、イミダゾー ル環1位に4-FC6H4基を、フルオレン2,7位に5-メチルチオフェンを導入したスピロ化合物とイミダゾー ル環1位に4-HOC6H4基を、フルオレン2,7位に5-フェニルエチニルチオフェンを導入したスピロ化合物がそれぞれ溶液とポリメタクリレートマトリックスフィルムの双方において理想に近い白色発光[色度図座標:(0.36, 0.33)および(0.30, 0.30)]を示した。しかし、発光効率がいずれも量子収率0.2程度であるため発光効率向上に向け更なる研究を継続中である。 また、これらの結果を受けた理論計算による解析を進めており、ESIPTの励起状態からの電子遷移が重要であることが明らかになりつつある。今後、スピロ結合を介してのエネルギー移動と構造最適化を含めて実験と理論の双方から理想の白色発光実現に向け検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
励起状態プロトン移動(ESIPT)により橙色発光を示す2-(3-ヒドロキシ-2-ナフチル)イミダゾールを剛直なスピ ロ構造を介して青色発光を示すフルオレンと連結させた分子の設計と合成に成功し、補色混合による単分子白色発光を実現できた。各種置換基による発光色のチューニングが可能であることが明らかになる一方で、発光効率の向上やELデバイスの創製については継続的な検討課題が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
ESIPTの励起状態からの電子遷移が重要であることが明らかになりつつあり、スピロ結合を介してのエネルギー移動と構造最適化を含めて実験と理論の双方から理想の白色発光実現に向け検討中である。また、イミダゾールに替わる複素環のオキサゾールやチアゾールのESIPTについても検討を進め、理想の単分子白色発光分子創製に向け既に研究を開始している。
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Research Products
(6 results)