2013 Fiscal Year Research-status Report
含窒素複素芳香環化合物の直接的不斉水素化反応による光学活性環状アミンの効率的合成
Project/Area Number |
25620083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複核イリジウム錯体 / 不斉水素化反応 / ピペリジン / ピリジン塩酸塩 / 光学活性ピペリジン誘導体 / 含窒素複素環化合物 |
Research Abstract |
われわれは、複数金属からなる触媒として複核イリジウム錯体に注目して研究を進めており、光学活性な2座ホスフィン配位子を有するイリジウム2核錯体触媒によるイソキノリン類の不斉水素化反応において基質を塩酸塩へと誘導することで、収率およびエナンチオ選択性を向上できることを見出している。そこで、この基質の塩形成の効果を利用することでピリジン類の不斉水素化反応を達成できると考え検討を行った。2-methyl-6-phenylpyridine をモデル基質として検討したところ、塩を形成しない場合全く反応が進行しなかったのに対して、塩へと誘導した基質は80%の転化率、43% eeで対応するピペリジン誘導体を与えた。このとき得られた生成物はsyn体のみであり、anti体はまったく観測できなかった。ピリジン塩の対アニオンは重要であり、ヨウ化水素酸塩を用いた場合に収率、エナンチオ選択性共に向上した。最適化した条件下で基質一般性の検討を行ったところ、種々の2,6-二置換ピリジン塩が適用可能であり、高ジアステレオ選択的に反応が進行した。また、本触媒系は2,6-二置換ピリジン塩のみでなく2,3-二置換ピリジン塩も適用可能であった。さらに、本系を三置換ピリジン類へと適用することを企図し、7,8-dihydro-2-methylquinoline-5(6H)-one の水素化を行った。この基質を塩酸塩へと誘導し不斉水素化を行うことにより、3つの不斉点を有するピペリジン誘導体 が得られた 。7,8-dihydro-2-methylquinoline-5(6H)-oneの不斉水素化反応は既に報告されているものの、一つの二重結合が残存したエナミンが得られるのみであったことから、基質の塩形成による効果でエナミンからピペリジン誘導体への水素化が進行したものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来難しいと考えられて来た置換ピリジンの直接還元による光学活性ピペリジンの合成に成功しており、複核イリジウム錯体の特異な触媒機能を明らかにすることに成功している。これらをさらに発展させる計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
複核ロジウム錯体の合成や異種2核錯体の合成にも成功しており、これらの複核錯体の触媒機能の開発を進めている段階である。イソキノリンやピリジン骨格の不斉水素化に限らず、5員環インドール骨格などの不斉水素化についても研究を進める方針である。
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Research Products
(5 results)