2013 Fiscal Year Annual Research Report
長残光蛍光体ナノ粒子を用いた蛍光イムノクロマト技術の構築
Project/Area Number |
25620110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多喜 正泰 名古屋大学, 物質科学国際研究センター(WPI), 准教授 (70378850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 長残光蛍光体 / ナノ粒子 / 葉酸 / 抗体 |
Research Abstract |
遊星ボールミルを用いた長残光蛍光体バルク材料のナノ粒子化条件について種々検討したところ,トルエン中0.1 mmのビーズを用いて2時間撹拌したものが,バルク体の長残光特性を保持したまま100 nm程度の粒子を与えることがわかった。ナノ粒子の耐水性を高めるため,粒子表面に長鎖アルキル基を導入し,さらに両親媒性ポリマーPluronic F127を作用させることにより水に対する高い分散性を付与させることに成功した。このポリマーの両末端は水酸基であり,様々な置換基を結合させることができる。まず,両末端に葉酸FAを修飾し,葉酸受容体FRとの結合について検討した。得られたFA修飾長残光蛍光体をFRが過剰発現しているHeLa細胞と低発現株であるMCF-7に対してそれぞれ作用させ,細胞内への取り込みについて評価した。その結果,HeLa細胞内からのみ強い発光が観測され,FRへの結合を介したエンドサートーシス機構で取り込まれていることが明らかとなった。次いで,抗体を結合させ,抗体を介した認識能について検討した。抗ヒト型アルカリホスファターゼanti-hALP抗体を修飾した長残光蛍光体ナノ粒子を合成し,hALPの発現量が異なる2種類の骨肉腫株を用いた。その結果,hALPが高発現株の方が多く結合していることがわかり,抗体を用いることによって高い選択性を与えることがわかった。さらにナノ粒子からの発光は励起光源の非存在下においても確認され,蛍光灯由来の光を蓄光し,暗室にするだけで特定の細胞を認識できることに成功した。
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Research Products
(3 results)