2014 Fiscal Year Annual Research Report
DNAによる効率的多酵素反応場の構築と一細胞測定用電極への展開
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25620121
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小松 康雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究グループ長 (30271670)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオセンサー / DNA / 電気化学 / グルコース / オリゴヌクレオチド / 酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの実験において、架橋化した2本鎖DNA上にグルコースオキシダーゼ(GOx)とペルオキシダーゼ(HRP)を固定化することで、グルコース(Glc)濃度に依存した電流検出が可能であることを明らかにした。また、GOxとHRPが同一のDNA分子上に固定化された場合、特に高い電流値が得られることを見出した。そこでH26年度では、2種類の酵素、電極およびDNAの最適な配置を見出すため、多様な種類の架橋化DNA・酵素複合体をディスク電極上に作製し、それぞれの電極によるGlcの酸化とそれに伴って生じる電流値を調べた。実験の結果、DNA上の電極に近い部位にHRPを、電極から離れた溶液側にGOxをそれぞれ配置した電極において、最も高い電流値が得られることを見出した。この配向では、GOxがGlcと接触し易くなることに加え、電極側ではHRPとの反応が迅速に進むことが高感度化された原因であると考えている。続いて、この酵素・DNA複合体を微小電極上に構築し、局所におけるGlc濃度の定量が可能かどうかを調べた。その結果、2種類の酵素はDNAを用いることで微小電極上にも位置選択的に固定化されることが可能となった。さらに同微小電極は、局所におけるGlc濃度の定量も可能であることを確認した。続いて、酵素・DNA複合体を有する微小電極をHepG2細胞を培養する細胞溶液中に配置し、培養液中におけるGlc濃度を調べた。実験の結果、Glc濃度は細胞数に依存して低下する傾向を観察することができた。この濃度減少が、細胞によるGlcの取り込みによる影響かどうかに関しては、引き続き詳細な検討が必要であると考えている。
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Research Products
(5 results)