2013 Fiscal Year Research-status Report
ローリングサークル増幅と蛍光三重鎖DNAを組合わせたmiRNA検出法
Project/Area Number |
25620126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (20313356)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光核酸 / 三重鎖核酸 / 遺伝子検出 |
Research Abstract |
平成25年度において、蛍光を発光する 5-(3-メチルベンゾフランー2-イル)-2’-デオキシウリジン(UMBF)の化学構造をさらに改変した蛍光ヌクレオシドの合成と性質評価を検討した。UMBF のベンゾフラン環 3 位のメチル基は三重鎖形成に伴う蛍光の増強に必須であるので、ベンゼン環上に種々の置換基を導入した誘導体の合成を検討し、その蛍光特性を明らかにした。 まず、様々な波長蛍光を発する3-メチルベンゾフラン誘導体を複数合成するための、合成中間体としても用いることのできる化合物として4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランを選び、その効率的合成法とヌクレオシドへの導入を検討した。特に、4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランの合成についてはレゾルシノールを出発原料に用いるルートと、2,6-ジヒドロキシアセトフェノンを用いるルートを検討し、後者が大量合成に優れていることを見出した。 続いて得られた、4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランの水酸基を保護し、2位のホウ酸化を行った。また、得られたホウ酸誘導体を鈴木反応を用いてデオキシウリジンの5位に導入および脱保護を実施し、ヌクレオシド誘導体を得た。得られたヌクレオシド誘導体の蛍光特性を評価したところ、溶媒の特性を種々かえることにより蛍光強度が増減することが分かった。また、合成したヌクレオシド誘導体をホスホロアミダイトに誘導しオリゴヌクレオチドへの導入と合成したオリゴヌクレオチドの蛍光特性評価を行った。合成したオリゴヌクレオチドの蛍光強度は二重鎖および三重鎖を形成するのに伴い増減することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランを導入した新規ヌクレオシドの合成を達成した。本化合物はベンゾフラン環上の水酸基を活性化することにより種々の誘導体へと変換可能であるため、複数のベンゾフラン誘導体の合成が可能である。それに加えて本年度は4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランを導入したオリゴヌクレオチドの合成も達成し、計画よりも前倒しでその性質を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究が進展しているため、今後は本年度合成した4-ヒドロキシー3-メチルベンゾフランを導入した新規ヌクレオシドから種々の誘導体を合成し、オリゴヌクレオチドの合成と物性評価を継続することで目的の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の検討の結果、4-ヒドロキシ-3-メチルベンゾトリアゾールを含むヌクレオシド誘導体の合成において遷移金属触媒を用いない、安価な合成ルートが確立できたことおよび、その後のオリゴヌクレオチド合成検討が予想よりも順調に進行したことにより、次年度使用額が生じた。 生じた使用額については、4-ヒドロキシ-3-メチルベンゾトリアゾールから合成する誘導体種類を増やし研究の内容をよりブラッシュアップする。また、ローリングサークル方に加え、その他の等温増幅方との組み合わせを検討するなど実用性の向上に目指した検討にも用いる。
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Research Products
(4 results)