2013 Fiscal Year Research-status Report
電気化学的二酸化炭素還元のルイス塩基による高効率化
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25620153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 博俊 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10359961)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / エネルギー変換 / 電気化学 |
Research Abstract |
平成25年度は,次の2点について研究を進めた。1点目は銅の平板電極を用いてルイス塩基効果について検証した。光電気化学系などにおいて報告があるピリジン系(ピリジン,ピコリン)を電解液に添加し,リニアスウィープボルタンメトリーおよびパルス定電位電解を行い,生成ガスをガスクロマトグラフィーおよび質量分析装置にて分析した。まず再現性の向上のため,セルの最適化を行い,電解電位やピリジン濃度などの条件を変えて二酸化炭素の電解還元を行った。その結果,ピリジン/銅電極系において,二酸化炭素の還元による炭化水素生成の促進は確認されなかった。20~40 mMのピリジン濃度では,還元反応の促進が見られたものの生成ガスは主に水素で,選択比に変化は見られなかった。60 mM以上ピリジンを添加すると,還元電流は低下した。これは銅電極をピリジンが被覆し,還元が抑制されていることを示唆するし。この結果より,銅電極とピリジンの組み合わせが良くないと考えられる。すなわち,ピリジンによって二酸化炭素への配位が生じたとしても,銅電極は水素過電圧が大きいため,電位を低くしないと反応が進行しない。 2点目は,ガス拡散電極を用いた気相系における評価である。銅ナノ粒子を多孔カーボンに担持した試料を作製し,同様にリニアスウィープボルタンメトリー,パルス定電位電解を行ったが,メタンの生成はわずかであり,過電圧の低下は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には,有機分子分散系での評価に加えて,電極固定系での評価を行う予定であった。再現性を向上するため,セルの再設計などを行ったことにより当初は遅れ気味であったが,有機分子分散系での評価することはできた。ここでの結果が良好ではなかったため,電極固定系での評価は行っていない。また平成26年度に実施予定のガス拡散電極での評価の準備も並行して進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の結果を鑑み,平成26年度は,電極金属種およびルイス塩基種の一方あるいは両方の種類を変えて検討する。電極金属には,水素過電圧が小さい金属として,白金やニッケル,チタン,カーボンを検討し,ルイス塩基の効果を検証する。またルイス塩基として,ピリジン等に加え,酸化マグネシウムや酸化セリウムなどの無機物を検討する。無機物を用いる場合,電子伝導性がほとんどないため,導電体とのナノ複合化が必要である。例えば,カーボン担体への担持や,耐還元性の差を利用したナノ複合体の作製を試みる。
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