2014 Fiscal Year Annual Research Report
高機能なナノポーラスカーボンの開発とエネルギー材料への応用
Project/Area Number |
25620160
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 浩史 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60397453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷藤 尚貴 米子工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80423549)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メソポーラス炭素 / 電気化学特性 / 金属有機構造体 / シリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の成果を基に、今年度はさらに様々なナノポーラスカーボンの開発に取り組んだ。ここでは、代表的な成果として、グラフェン層間にシリカピラーを有するナノカーボン (ピラー化炭素) および金属-有機構造体 (Metal-Organic Framework; MOF) を鋳型としたメソポーラスカーボン (MOF-Templated Carbon; MTC) の作製とその固体電気化学特性について述べる。 (i)ピラー化炭素:酸化グラフェン (GO) とトリクロロメチルシランを反応させることにより、シリル化GOを得、その後、得られたシリル化GOを高温で加熱することにより、ピラー化炭素を得ることに成功した。また、GOのシリル化反応の回数を増やすことにより、GO層間のピラーが伸長することを明らかにした。このようなピラー化炭素の電気化学特性を測定したところ、シリル化反応回数3回のものがもっとも大きな電気二重層容量を示すことを見出した。 (ii)MOFを鋳型としたメソポーラスカーボン:架橋配位子であるテレフタル酸と亜鉛イオンからなる既知のMOFを作製し、これを高温で加熱して炭化させた後、塩酸処理により酸化亜鉛を取り除き、MTCを得た。このMTCはメソ孔 (2~50 nm) を有するとともに、比表面積が1060 m2g-1であることを明らかにし、SWNTやグラフェンよりも高表面積なナノカーボンの作製に成功した。さらに、作製したMTCと分子クラスターの一つポリオキソメタレート(POM)をナノ複合化し、その電極特性を測定したところ、他のナノカーボンとPOMからなるナノ複合体よりも大きな容量を示すことを見出した。 このように、グラフェン層間を拡張したピラー化炭素や細孔を有するMTCを作製し、その固体電気化学特性を検討することで、ナノポーラスカーボンが電極材料として有用であることを明らかにした。
|
Research Products
(9 results)