2014 Fiscal Year Annual Research Report
パターン転写を志向した超強偏析系微細ナノ構造体の構築
Project/Area Number |
25620172
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野呂 篤史 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90377896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / 微細構造 / 撥水性 / 親水性 / ナノ相分離構造 / 可逆的付加開裂連鎖移動重合 / 超強偏析系 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では、微細ナノ構造体作製のために撥水性ポリマー成分と親水性ポリマー成分からなる強偏析系ジブロック共重合体を合成し、D≦10nmの微細周期構造の構築を目指した。
具体的には撥水性ポリマー成分としてポリペンタフルオロスチレン(F)を、親水性ポリマー成分としてポリアクリル酸(A)を用いることとした。可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合法により、重合度の異なるFAジブロック共重合体を複数合成した。核磁気共鳴法(NMR)とゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりキャラクタリゼーションを行ったところ、Fの重合度は7~38、Aの重合度は16~63であった。微細構造観察用にキャスト膜を調製し、さらにアニール処理を施し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、小角X線散乱(SAXS)測定によりナノ構造観察を行った。
TEM観察を行ったところ、合成したFAはすべてラメラ構造を形成しており、全体重合度が小さくなるにつれて構造周期Dが小さくなることが分かった。SAXS測定ではすべてのFAで整数次ピークが見られ、TEM観察(ラメラ構造)を裏付ける結果が得られた。重合度が小さくなるにつれて1次ピーク位置(q*)が高角側へシフトしていくことが確認でき、D=2π/q*の関係式より、Dが小さくなっていくことが分かった。さらに重合度の最も小さなFA(Fの重合度が7、Aの重合度が16)ではD=6.8nmの繰返し周期を示し、当初の目標であったD≦10nmの周期構造を実現することができた。これらの成果について学会で発表を行う予定である。また英語論文として報告予定である。
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