2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25620182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 久男 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70154573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇谷 尚樹 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40251623)
坂元 尚紀 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (80451996)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セラミックス / アルミン酸カルシウム / 固体電解質 / ゾルゲル法 / 分子設計 |
Research Abstract |
本研究では、12CaO・7Al2O3(以下C12A7 と略)を確信電池の材料として応用することを試みる。すなわち、C12A7:e-/C12A7: (Li-O-)ハイブリッド電極の作製を試みる。そのために、平成25年度ではC12A7ナノ粒子をまず液中プラズマ法などで作成する予定であった。そこで、実際に液中プラズマ法でC12A7ナノ粒子を合成することを試みた。液中プラズマ法では、室温で結晶質のナノ粒子が合成できる可能性があり、注目される。そこで、塩酸触媒などで分子設計された前駆体溶液からの液中プラズマ法でC12A7ナノ粒子を合成することを試みた。その結果、比表面積が比較的大きなナノ粒子の合成に成功した。次に、この様にして作製したC12A7ナノ粒子の特性評価を試みたところ、塩酸触媒で分子設計したためにC12A7ナノ粒子中のかごの中には水酸基が残留して他のイオンとの置換ができないことが明らかとなった。そこで、有機溶媒系で無機触媒を用いない方法で前駆体の分子設計を試み、C12A7ナノ粒子を液中プラズマ法で合成した。結果として、C12A7ナノ粒子の合成には成功した。この成果は、すでに論文として掲載されている(液中プラズマ法による12CaO • 7Al2O3 粉末の低温合成,間根山 しおり, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 大野 智也, 松田 剛, 鈴木 久男 粉体および粉末冶金,Vol. 61 (2014) No. 2 February pp. 93-98)。しかし、この様にして作製したC12A7はガラス状のC12A7中に結晶化していることが明らかとなり、イオンの値管区工夫が必要であること及びこれまで報告のない準安定なC12A7が混在することが明らかとなった。今後はこれらの問題を解決して電池に応用するための評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、12CaO・7Al2O3(以下C12A7 と略)を確信電池の材料として応用することを試みる。すなわち、C12A7:e-/C12A7: (Li-O-)ハイブリッド電極の作製を試みる。そのために、平成25年度ではC12A7ナノ粒子をまず液中プラズマ法などで作成する予定であった。その結果、液中プラズマで作製したC12A7ナノ粒子には通常の結晶構造以外に準安定相と思われる結晶相が生成することが明らかとなったが、液中プラズマ法で作製した準安定C12A7にはかご状構造が存在するかどうか明らかでなく、かご構造へのイオンの置換が実現できていない。今後は、前駆体の分子設計により酸素を介したCa-O-Al 結合を有する前駆体溶液からなるエマルションを合成し、液中プラズマ法以外の方法でもナノ粒子を合成する。 一方で、分子設計された前駆体からの高性能固体電界質用ナノ粒子の合成には成功した。すなわち、これまで低温合成が困難とされてきたLi7La3Zr2O12(LLZO)の低温合成に成功した。この材料は、立方晶系の場合に優れたイオン導電性を示すとされており、Alのドープなどにより立方晶系を安定化しているが、金属アルコキシド前駆体の分子設計によりAlをドープすることなく立方晶系のLLZOナノ粒子を700℃で合成することに成功した。これは、優れた分子設計方法を確立したことが大きな理由である。 今後は、固体電解質の性能評価とともに電極材料としてのC12A7ナノ粒子の設計とナノ粒子合成及びイオン交換による特性発現に向けて努力する。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べた通り、分子設計した前駆体からの液中プラズマ法によるC12A7ナノ粒子の合成には成功した。しかし、作製したC12A7ナノ粒子にはいくつかの問題があることも明らかとなった。今後は、作製したナノ粒子の特性評価により問題解決のための方策を検討する。 一方で、分子設計された前駆体からの高性能固体電界質用ナノ粒子の合成には成功した。すなわち、これまで低温合成が困難とされてきたLi7La3Zr2O12(LLZO)の低温合成に成功した。この材料は、立方晶系の場合に優れたイオン導電性を示すとされており、Alのドープなどにより立方晶系を安定化しているが、金属アルコキシド前駆体の分子設計によりAlをドープすることなく立方晶系のLLZOナノ粒子を700℃で合成することに成功した。これは、優れた分子設計方法を確立したことが大きな理由である。 今後は、固体電解質の性能評価とともに電極材料としてのC12A7ナノ粒子の設計とナノ粒子合成及びイオン交換による特性発現に向けて努力する。 具体的には、C12A7ナノ粒子の液中プラズマ法による作製については、パルス幅や電極形状などの工夫によりガラス相の生成を抑制する条件を検討する。LLZOについては、まずはナノ粒子の焼結性を評価し、複素インピーダンス法によるイオン導電性を評価する。また、Alの最適ドープ量についても上述の手法により評価する。 これらの手法により電池を作製し、その特性とそれぞれの材料の特性との関係を明らかにし、革新電池の開発に向けて新規材料の問題点を下記ら化にして行く。
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