2013 Fiscal Year Research-status Report
ミクロ組織発展とマクロ力学特性の動的再結晶マルチスケールモデルの構築
Project/Area Number |
25630011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フェーズフィールド法 / マルチスケールモデル / 動的再結晶 / 熱間加工 / 有限要素法 |
Research Abstract |
マルチフェーズフィールド法を用いた動的再結晶モデル(MPF-DRXモデル)と熱間加工の大変形弾塑性有限要素法を連成させる,熱間加工マルチスケールモデル(MPFFE-DRXモデル)の構築を完了させた.本年度は,温度変化を考慮しない等温度下でのモデリングと評価を行った.構築したモデルを用い,温度とひずみ速度を系統的に変化させた円筒の不均一圧縮シミュレーションを行い,モデルの適用範囲を明らかにした.さらに,円錐台の圧縮変形や,材料内に硬い第2相が存在する場合などに適用し,実用性を検証した.また,マルチフェーズフィールド法と結晶塑性有限要素法を同時に用いる,マルチフェーズフィールド結晶塑性有限要素モデルの大枠を構築し,粒界張り出しによる動的再結晶粒の核生成挙動シミュレーションに着手した.現在,おおよその現象は再現できるようになったが,まだ改善する項目が残っており,次年度の課題である.これまで得られた研究成果は,複数の国内外の会議において発表し,また,2編の論文を執筆投稿し掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,マルチフェーズフィールド法を用いた動的再結晶モデルと熱間加工の大変形弾塑性有限要素法を連成させる熱間加工マルチスケールモデルの構築は,等温度条件下において達成できた.また,このモデルの適用範囲の確認および応用モデルへの適用まで進み,温度変化を入れるまでには至っていないが,全体的には予定よりも進んでいる.さらに,予定していなかったマルチフェーズフィールドモデルと結晶塑性有限要素法をダイナミックに連成させる動的再結晶モデルの構築に着手し,ある程度のところまで研究を進めることができた.また,複数の論文執筆および国内外での学会発表を行った.以上のことを考えると,当初の予定以上に研究が進展できていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,熱間加工マルチスケールモデルを不均一温度場へ適用する.材料表面からの熱放出および加工による発熱を考慮可能なようにモデルの高精度化を図る.モデルの構築後,実用的な熱間加工シミュレーションに応用するため,ABAQUSなどの市販ソフトに組み込むことを検討する.しかしながら,ソフトの導入は予算を超過するため,どのように進めるのかが課題である.また,マルチフェーズフィールド結晶塑性モデルによる粒界張り出しシミュレーションを可能とし,粒界張り出しによる動的再結晶核生成メカニズムの解明を試みる.
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Research Products
(9 results)