2014 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザによる有機透明導電性膜の絶縁効果発現に関する研究
Project/Area Number |
25630015
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
池野 順一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10184441)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザ加工 / 有機透明導電性膜 / 超短パルスレーザ / 絶縁処理 / タッチパネル |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、スマートフォンなど透明タッチパネルにはITO導電性膜が使用されている。しかしITO膜にはレアメタルが使用されているため高価であり、安定供給への懸念も取り沙汰されている。そこで安価で安定供給可能な有機透明導電性膜が注目されているが、光透過性がITOよりも僅かに低いため、膜の有無によって配線パターンが視認されてしまうという難題を抱えている。本研究代表者は、これまでに基礎研究を行い、有機透明導電性膜にフェムト秒レーザを照射すると、ピンポイントで絶縁効果が発現することを発見している。本研究ではこの発見を基礎として絶縁性と視認性の両者を満足させる新しいレーザ3次元配線技術の確立を目的とした。平成25年度には、装置を構築し性能評価を行った。最終年度の平成26年度には以下のことを行った。 1.材料分析による絶縁・導電メカニズムの検討:X線光電子分光分析を行って、共役二重結合の中の炭素と酸素の結合状態が変化し、共役二重結合が分断されていることを突き止めた。 2.2次元タッチパネルの作製および特性評価:透明導電性膜を塗布したPETシートを2枚用意し、XとYの直線回路から2次元のタッチパネルを作製し、タッチパネルとして使用でき得ることを実証できた 3.3次元配線の作製および特性評価:導電性膜の厚みが0.3ミクロンであったため、焦点深度よりも小さく、3次元配線の作成は困難となり課題として残った。 4.研究成果の公表:砥粒加工学会、精密工学会、日本機械学会にて成果報告を行った。また、日本学術振興会ひらめきときめきサイエンスで高校生に対して、本研究成果を含めた科学技術啓蒙教育プログラムを実施した。
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Research Products
(7 results)