2013 Fiscal Year Research-status Report
ミラー間距離が不変な光共振器を用いた恒温恒“絶対空気屈折率”チャンバーの開発
Project/Area Number |
25630022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10231854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韋 冬 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70610418)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 絶対空気屈折率 / 光共振器 / 絶対光学長 / 幾何学長 / 共鳴 |
Research Abstract |
共振器の絶対光学長と絶対幾何学長(内部が真空のときの絶対光学長)の比から空気屈折率を高精度に求めることが研究の目的である。研究を2方向から行っている。 (1)密閉型幾何学長不変共振器の開発 内部が圧力容器で、圧力範囲が0.1ミリパスカル(真空)から110キロパスカル(大気圧)で変化しても幾何学的な共振器長が10の-12乗オーダ(300mmの幾何学長であれば圧力による変化が0.3pmオーダ)となる密閉型幾何学長不変共振器の開発を目指している。二つのアプローチを組合せることを模索している。最初のアプローチは熱膨張率の異なる2個の材料を用い、圧力による幾何学長変化を構造的にキャンセルする共振器構成の模索である。もう一つは、幾何学長変化をセンシングし能動的にこれを補正するものである。これらの2個の手法を組合せ現在まで上で述べた圧力変化に対し共振器長が10の-10乗~10の-11乗程度となる構造とシステムをシミュレーションにより見いだしている。 (2)絶対光学長測定の高精度化 絶対光学長は共振器の最隣接共鳴点の周波数差(FSR)から求めることが出来る。また、共鳴点の周波数からも求めることが可能である。研究申請時には、FSRから絶対光学長を求めることを提案していたが、FSRと共鳴点の同時追尾による絶対光学長測定が有効であることをシミュレーションから見いだし、実際にその実験を行い確かに有効であることを確認した。FSR測定での絶対光学長測定不確かさが最良で10の-9乗オーダなのに対し、FSRと共鳴点の同時追尾では、それが10の-12乗オーダも可能であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧力範囲が0.1ミリパスカル(真空)から110キロパスカル(大気圧)で変化しても幾何学的な共振器長が10の-12乗オーダでしか変化しない共振器システムの設計試作の進捗がおそい。材料選択に手間がかかっている。機構設計にも手間がかかっている。約300mmの大きさの構造体で、その圧力による歪みが0.3pm(原子間隔の1/1000)にしかならないものは今まで世界で作られたことがないので手間取っている。
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Strategy for Future Research Activity |
上の圧力変動による変形が10^-12となる共振器の開発を優先的に行う。上半期中に材料選択+構造設計を終了させる。 同時にFSRと共鳴点の同時追尾システムによる絶対光学長測定システムの改良を行う。
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