2014 Fiscal Year Annual Research Report
局時局所壁面せん断応力ベクトル計測によるせん断乱流の動力学特性の解明
Project/Area Number |
25630051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長田 孝二 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50274501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 修 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50570751) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 流体工学 / 流体計測 / MEMSセンサ / 壁面せん断応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の研究では,シリコンウェハを使用したホットフィルムセンサ(SWセンサ)およびフローティングエレメントセンサ(FEセンサ)を設計/製作し,回転体を用いた較正試験を行った.今年度は,更に,ポリイミドを用いた貼り付けタイプのホットフィルムセンサ(patch-typeセンサ)およびその制御回路を開発し,それぞれのセンサの周波数応答やSN比等を詳細に検討した.また,SWセンサとpatch-typeセンサを用いて壁面噴流のせん断応力と速度場の同時計測を行った.主な結果は以下の通りである. ・FEセンサのSN比はSWセンサやpatch-typeセンサよりも低く,微小な壁面せん断応力変動を捉えるにはSN比の更なる向上が必要である. ・SWセンサの時間応答はおよそ1kHzであった.これを用いて壁面噴流場で瞬時壁面せん断応力の計測を行った.その結果,速度変動のパワースペクトルにはピークが見られないのに対して,壁面せん断応力変動のパワースペクトルにはいくつかのピークが見られた.この結果から,壁面せん断応力変動は気流の速度変動に比べて,特定周波数を有する秩序渦構造のような乱流構造の影響を受けやすいことが推測される.今後,乱流構造と壁面せん断応力変動の関係をより詳細に調査する必要がある. ・patch-typeセンサを設計・製作した.これは薄いポリイミドフィルム上に微小なヒータを取り付けたもので,計測原理はSWセンサと同じであるが,センサを曲げることも可能であるため,円管内等,フラットではない壁面上に貼りつけて使用できるという長所を有する.周波数応答試験の結果,このセンサの周波数応答は10Hzであった.従って,SWセンサの時間応答には及ばないが,より小型であること,曲率を有する壁面に対しても使用可能である,出力が安定しておりSN比が高い,という長所を有する.
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