2014 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光標識法を用いたマイクロ流路内粘弾性流体流れにおける高分子運動計測
Project/Area Number |
25630066
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 和也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90372854)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高分子水溶液 / 蛍光標識 / 誘電分光 / 可視化 / 流れ / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,粘弾性流体流れの伝熱と流動に関する固有な特性の原因を解明するために,高分子水溶液流れにおける高分子の運動と伸縮の状態を明らかにし,それが流れとどのような相関を持つのかを明らかにするために,高分子を蛍光標識しマイクロ流路内における高分解能計測およびマイクロ電極を用いた誘電分光計測を行った.蛍光標識では,マイクロ流路の開発,温度制御ユニットの開発,光学系の開発を行い,さらに蛍光標識された高分子(ポリアクリルアミド)を生成するための手順について複数の方法を試みた.その結果,蛍光標識された高分子の可視化を行うことができた.ただし,蛍光強度が高すぎて測定分解能を妨げるため,蛍光分子の状態を識別することができなかった.これを改善するために,モノマーからポリマーを生成する中で蛍光標識の領域を絞り込む方法の検討,光学経路の変更による光学分解能の向上,画像処理法(アルゴリズム)の変更,を行っている.これらの改善から,蛍光画像(点)の輪郭形状と高分子の状態との相関を取る予定である. また,誘電分光計測では,校正のためにミリスケールの白金電極を用いて数マイクロの隙間の高分子水溶液に関する誘電分光計測を行い,高分子の分子量や濃度が誘電緩和の周波数と電気容量に与える影響について検討を行った.その結果,誘電緩和が生じる周波数がこれらの要因によって変化することを示した.さらにマイクロ電極付設マイクロ流路を用いて流動条件下における高分子水溶液流れの誘電分光計測について検討した.この場合,ミリスケールと同様に分子量や濃度による誘電緩和特性への影響を測定できたが,流れによる影響は,電極での電気二重層生成による測定感度低下もあり,優位な差が得られなかった.今後は,電極表面の特殊加工によるセンサ感度の向上や流路寸法と流量条件の選定をはじめとして,研究を継続する.
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Research Products
(3 results)