2014 Fiscal Year Annual Research Report
新発想による冷却媒体の研究開発:非溶解性混合媒体の核沸騰熱伝達特性の解明
Project/Area Number |
25630067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大田 治彦 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50150503)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱工学 / 沸騰 / 高性能冷却 / 新熱媒体 / 半導体冷却 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 非共溶性混合媒体の卓越した沸騰熱伝達特性を複数の混合媒体に対して確認するため、FC72/Water,Novec7100/Water,Novec7200/Waterのプール沸騰実験を行なった。いずれも高沸点媒体に高サブクール度が自立的に付与されることにより、限界熱流束が低沸点媒体単成分(Water)よりも大幅に増大することを確認した。Novec7100/WaterやNovec7200/WaterではWater単成分と比較して顕著な伝熱面温度の低下が見られた。 ② 非共溶性混合媒体では水平伝熱面に対して非加熱時の液層厚さを最適化することにより、高密度低沸点媒体の沸騰熱伝達から低密度高沸点媒体の熱伝達へ移行する現象(中間熱流束バーンアウト)が確認された。この現象には高密度低沸点媒体の気泡が液-液界面を介して上昇可能かどうかの条件により、熱流束のわずかな増加によって伝熱面温度が急上昇する場合と、伝熱面温度が途中で定常状態を保ちながら上昇してゆく場合の2通りのパターンがあることが判明した。高密度低沸点媒体への熱伝達から低密度高沸点媒体への熱伝達への切り替わりは、高密度低沸点媒体の気泡とその上部に位置する低密度高沸点媒体の液体との間の気液界面におけるテイラー不安定現象と密接な関係があることが判明し、各パターンが生じる条件を区分した。 ③ 非共溶性混合媒体において,水平伝熱面に対して非加熱時の高密度低沸点媒体の液層厚さを最小限に設定することにより、FC72/Waterの例ではWaterにFC72を少量加えるだけにもかかわらず、0.1MPaでの限界熱流束は3×10^6W/m^2に達した。 ④ 非共溶性混合媒体の強制流動沸騰に関して、慣性力の存在下で両成分の液体をともに伝熱面に接触させるために平行平板間狭隘流路が最適と判断し、片面加熱のテストセクションを製作し、データ取得を開始した。
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Research Products
(2 results)