2014 Fiscal Year Research-status Report
ゼロコンプライアンス機構を利用した微小力測定装置の開発
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25630073
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
水野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20134645)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 力学量計測 / 微小力測定 / ゼロコンプライアンアス機構 / 3分力計 |
Outline of Annual Research Achievements |
提案する力測定機構によって,3次元の力測定を行えることを実証するために,前年度に開発した測定機構を複数(3個)組み合わせて3次元力測定装置を構築して,その性能を実験的に調べた. (1)3次元力測定装置を開発した.前年度に開発した1次元力測定機構の性能を取得した.装置の機械定数を全て取得し, 制御方法や極の配置方法, 機械定数誤差などの観点から, 測定システムに対する解析的な検討を行った.そして,解析の結果を踏まえ, 最適に近い条件を系に適用し, これまで測定することができなかった帯域の動的外力測定を実現した.また,系の周波数応答を取得し, その結果から具体的に測定できる帯域を明確にした. (2)作用点に作用する力の3分力を測定するには,つぎのような方式が考えられる.(a) 検出点を三つとして,3個の検出点変位を組み合わせて,検出する(分散形)(b) 検出点を一つとして,検出点の3次元変位を検出する(一体形)当初の計画では,前年度に開発した1次元力測定機構3台を立体的に組み合わせて,検出点分散形3次元力測定装置を構築する予定であったが,構造的な問題から,1次元力測定機構4台を組み合わせて,鉛直方向の力に加え, これまで測定を実現できなかったroll, pitchの2方向トルクの測定が実現できるような装置を開発した. (3)制御系の実装と測定性能の評価を行った.前年度と同様な手順で制御系を実装し,性能の評価を行った.特に,作用点に作用する力の方向を様々に変化させて測定を行い,直線性・分解能やヒステリシス誤差などの基本特性に加えて,軸間の干渉の大きさについて詳しく調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組み合わせる測定機構を3台から4台へ変更したものの,当初の予定通り3次元力を測定する装置が実現でき,その諸特性を実験的に調べることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
検出点一体形3次元力測定装置を開発し,その性能を把握する実験を行い,3次元力測定に最適な構造についての知見を得る. (1)一体形3次元力測定装置の設計・製作 検出点の構造を正4面体あるいは立方体のような立体的な形状とした装置の設計・試作を行う. (2)制御系の構成と測定性能の評価 前年度と同様な手順で制御系を実装し,性能の評価を行う.そして,前年度開発した分散形との性能を比較し,どちらが3次元力の測定に適しているかについての知見を得る.
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Research Products
(4 results)