2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚越 秀行 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50313333)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ロボティクス / アクチュエータ |
Research Abstract |
植物が「根」を成長させるプロセスを参考に、外部と無摺動で伸長する線形柔軟構造の移動体「先端成長型アクチュエータ」の創製に挑戦した。すなわち、根は全体が成長するのでなく、先端付近の分裂組織(成長点)のみが成長して地中深奥部まで達する。同様の動作をアクチュエータとして実用的な速度と力で実現できれば、大腸内壁と無摺動で移動可能な体に優しい医療機器の創製につながる。以上の観点から、本研究では大腸内視鏡への応用を視野に入れ、小口径の構造で方向操舵機能を有し、外壁と無摺動で内視鏡を搬送可能なアクチュエータを構築し、医療機器のブレークスルーを図ることとした。 具体的には、2本の柔軟偏平チューブの対向構造による推進機構の開発を試みた。断面の潰れた偏平チューブの折り曲げ点において、流体経路を遮断できる特徴を生かした、全く新しい流体駆動現象を用いた。偏平チューブ複数本を円筒形に対向させて配置し、外周部に位置する偏平チューブ末端から流体圧で加圧すると、下流側チューブが繰り出されることを確認した。当該原理をもとに、外径20㎜、長さ1500㎜の試作機を作製し動作を確認した。 そして、コロンモデルを用いて安全性・耐久性の評価実験を行い、2次元平面内の湾曲した経路においても、外部と摺動することなく先端成長動作を行えることを確かめた。今後は、さらにカメラを搬送できる構造の改善と後退動作をスムーズに行える手法の確立を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロンモデル内を推進するアクチュエータを試作し、その原理の有効性を確認できたという点においては、研究が順調に進展したもの判断できる。しかし、カメラの搬送および後退動作の手法の確立に至らなかった点については、課題を残した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらにカメラを搬送できる構造の改善と後退動作をスムーズに行える手法の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年9月、アクチュエータの評価実験を行い、その結果をもとに改良機の製作と成果発表を行う予定であった。しかし、動作条件に予期しなかったばらつきが見られたため、計画を変更し、ばらつきが生じる原因を追究する必要が生じたため。 課題の追究および改良機の製作と成果発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てる計画である。
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