2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元6自由度操作によるオンチップ超精密細胞除核への挑戦
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25630090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 史人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90221051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 明彦 名城大学, 理工学部, 准教授 (20377823)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 先端機能デバイス / マイクロマシン / バイオ関連機器 / 機械力学・制御 |
Research Abstract |
卵細胞の除核作業は機械式マイクロマニピュレータによって行われており,作業のハイスループット化,精密化,効率化が求められている.そこで,マイクロ流体チップ中で卵子の位置と姿勢を調整し,その場で連続的かつ超精密に核を取り除くための基盤技術に挑戦した. (1) マイクロ流体チップ内で細胞の位置・姿勢制御を行った.磁気駆動マイクロロボットを2本用いて,ウシ卵子の位置と姿勢を制御した.画像処理による評価では姿勢の制御は7.5度を達成できた. (2)卵子の固定・穿孔・核除去を行った.まず,非接触操作できる磁気駆動マイクログリッパを作製した.グリッパ本体はシリコンをDRIE加工により作製し,弾性変形を利用した機構を用いてグリッパの開閉機能をもたせた.これに薄型化した永久磁石をアセンブリし,ロボットの上下で永久磁石を駆動することで位置決め制御に成功した.また,電磁石の制御によって,グリッパの開閉制御に成功した.この構造を利用し,ウシ卵子を把持して除核する方式を提案した.つぎに,穿孔用の磁気駆動マイクロツールの先端を先鋭化するために,グレースケールマスクによりシリコンのDRIE加工を行った.磁気駆動マイクログリッパを操作して,穿孔ツールで卵子の透明帯に穴を開け,グリッパ機能を利用して卵子を押しつぶすことで核を卵子から取り出した. (3)除核方式として,蛍光染色なしに除核するための条件を調査した.ポルスコープを利用して核や,透明体を観察した.マウス卵子に関しては核の位置が明視野観察で観察できたため,画像処理による計測を試みた.卵子の姿勢制御を組み合わせることで除核体積を安定的に低減できるめどをたてた. (4)オンチップ超精密連続除核方式のため,重力を利用して卵子を一つずつ安定的に送り出すローディング機能を提案し,実験的に有効性を示した.
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