2014 Fiscal Year Research-status Report
神経系の働きを含めた模擬循環器系の構成論構築とその応用
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25630097
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅野 重樹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00187634)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 自立ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,循環器系を利用した修復技術と液中から不純物を除去する技術の研究を行った. 修復技術の研究では,Magnetic Powdery Sensor(MPS)の開発を行い,センサ部が修復可能な接触式の変位センサーシステムを構築した.金属粉でセンサ部が構成されており,変位が加わるとセンサ部の抵抗値が変化して,変位を計測することが可能である.センサ部は磁場により形状を維持しており,センサ部が破壊されると循環器系により運搬された金属粉が磁場に引きつけられ,センサ部が再構築される.実験の結果,MPSは変位を計測することが可能であり,またセンサ部が破壊された際には自己修復することを確認した. 不純物を除去する技術の研究では,吸着剤のカプセル化により循環路中の不純物を吸着して除去することが可能なシステムの構築した.吸着剤はカプセル化することで,選別や回収が容易になる.除去する機構として,昨年度開発した任意のサイズのカプセルを選別し回収できるフィルターシステムを使用した.カプセル径を調整することで,回収対象のカプセルのみを補足することが可能である.実験の結果,提案システムにより液中から不純物を除去することが可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の進捗として,申請書で提案した模擬循環器系システムの機能である(1)エネルギー供給機能,(2)老廃物運搬機能,(3)血液凝固による体組織の保護・修復機能,(4)温度調節機能に関しての研究は概ね順調に進捗している. しかし,最終的なゴールである神経系との統合はまだ成されていない.構築した模擬循環器系システムに対して神経系がどのような役割を持ちうるかを再考し,循環器系のコントローラとして組み込んでいきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
システム全体の長期運用を考えた場合に,コントローラが必要になると考えられる.修復をする際は,修復剤が損傷箇所に長時間留まっていると修復が促進されるため,管路の流体の流量が少ない方が良い.一方で流量が少なくなることで冷却能力が落ち,模擬循環器系の機能間でトレードオフの関係になっている場合がある.今後は,システムを長期的に運用するための評価関数を構築し,その評価値に基づき循環器系の動作をコントロールする手法を研究する.
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Causes of Carryover |
2014年度の設定課題のうち循環器系のコントローラの構築が完了しておらず,そのシステム組立のためのセンサおよび電気回路部品などの経費が残ったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本申請で提案した模擬循環器系システムの機能である(1)エネルギー供給機能,(2)老廃物運搬機能,(3)血液凝固による体組織の保護・修復機能,(4)温度調節機能,を統合するにあたり,最終的なゴールである神経系との組み合わせが課題として残っている.構築した模擬循環器系システムに対して神経系がどのような役割を持ちうるかを再考し,循環器系のコントローラとして組み込む予定である.
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