2013 Fiscal Year Research-status Report
LCブースターを用いた埋込機器用体内留置電源ステーションシステムの開発
Project/Area Number |
25630102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松木 英敏 東北大学, 医工学研究科, 教授 (70134020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田倉 哲也 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00551912)
佐藤 文博 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60323060)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非接触電力伝送 / ワイヤレス / 低結合 / 体内デバイス / 埋込機器 |
Research Abstract |
今年度は,ブースターコイルの必要個数と最適コイル仕様を算出し負荷に合わせた仕様決定を行う目的で研究を進めた.体内埋込デバイスを対象としている事から,生体組織を媒介とした場合の電力供給に対する影響について検討を行い,本方式の特徴である,コイル間結合が低い場合においてもエネルギー供給が可能な点を最大限に生かす為に,送電側電源より離れた地点での電力受電を目標とし,病室や,寝室等の居住空間至る所でも所望の電力が得られる様なシステム構成について検討を加えた.体内留置型電源システムについては,当初予定通り検討をはじめ,体内での各種動作について模擬生体を用いて検討を行った.LCブースター方式を用いた電力伝送におけるブースターコイルの特性確定と負荷適用範囲確認を行い,LCブースター方式の基本原則は電磁誘導則に従うものの,ブースターコイルの仕様に柔軟性がある事から,送電側と受電側ブースターコイルの結合係数を0.1~0.5の範囲に設定して,送受電間コイルに最大の冗長性を持たせた場合の負荷インピーダンス調整について目処を立てた.この結果としては予定通り,対象となる負荷が決定した場合の本方式が対応可能な電力範囲を絞り込む事ができた.生体組織を媒介としたブースター条件の確立と電気的伝送パラメータの抽出については,ファントム組織を用いてその影響を検討し,体内側である受電側ブースター部分の伝送と,送受電コイル間による伝送効率測定からその影響を検討した.体内留置電源ステーションからの送電とブースターコイルでの受電確認も行い,送受電一対一の構成に於いて,体内に留置した電源ステーションよりブースターコイルでの受電を確認する事ができた.以上を以て5W~10Wレベルの電力伝送が行える事を初年度の検討して確認する事ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究最大の目的は,近年増え続けている体内埋込医療機器のための安定な体内電源構築を行う事である.本研究期間内ではLCブースター方式による体内への電力供給確認,体内埋込可能な送受電コイルの小型化,体の動きを考慮した,体内電源ステーションの構築を主に,体内機器を埋め込んだ患者が,ある一定区域内で自由に動き回る事が可能な広域でのエネルギー伝送の実現であるが,まずは5W~10Wレベルの伝送を確認できた事により当初予定通りの進捗と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては,今年度の5W~10レベルの電力値を確定させ,更に一対一での基本構成であったシステムを発展させる事で,体内留置電源ステーションに対して複数のブースターコイルに対応した本システムが臨床で使用される状況を想定して検討を進める.まず,体内に複数のブースターコイルを配置した場合の受電特性について検討する.体外側送電システムと体内留置電源ステーションとの安定動作を確認し,その後受電ブースターコイルを最大5つまで設定してその受電動作を確認する.このブースター数である5つは,上肢,下肢,更に一つの臓器デバイスを想定している.特にブースターコイル同士がが近傍に配置された場合には ,自身の結合も発生することからその相対距離をパラメーターにして確認する.特に本システムは低結合状態での動作が基本となることから,精密な測定を行う.その後,受電側,体内電源,受電ブースターの磁束分布確認を行い,相対距離との整合性を確認する.この検討後に受電電力の負荷特性実験を行う.続いて,本検討で得られる最大の効果は,埋込医療機器を装着した患者が,居室や寝室等の空間的に限られた場所にいる場合は,その場所に滞在する限りはLCブースター伝送により常に電力が供給され,電源の心配をする事無く生活できる事が最大の目的である.つまり体内側ブースターコイルとの結合とは別途,空間に於ける送受電特性も確認する必要がある.コイル間距離を変化させた場合のLCブースター条件を維持するためのパラメーターと,伝送効率について検討する.コイル間距離を変化させても,周波数や電圧等の可変可能なパラメータの組み合わせを考慮し,LCブースター条件が成り立つコイル間最大距離を導きだし,伝送距離の最大値を得る.送受電伝送デバイス小型化及び体内留置電源ステーションの電源容量算出と,最終的に小型化された各種デバイスに於いて,最大の伝送距離を定量的に得てまとめとする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,資料収集など今年度の研究を効率的に推進した事に伴い発生した未使用額である. 平成26年度請求額とあわせ,平成26年度の研究遂行に有効に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)