2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25630109
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花井 正広 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (00587446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 直樹 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (20228555)
加藤 克巳 新居浜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (20293665)
大久保 仁 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90213660)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超純水 / 高分子 / 複合絶縁 / 絶縁破壊 / 比誘電率 |
Research Abstract |
電力システムに使用されている電力用変圧器は高い品質が必要とされている。従来、電力用変圧器には、安定して高い絶縁耐力と冷却能力を有する鉱油が絶縁油として用いられてきた。変圧器から鉱油が漏れた場合、環境に対して大きなダメージを与える。そこで、本研究では、超純水に高分子を溶解させることで抵抗率を上昇または維持させると共に、鉱油の約1/3の高い絶縁性能を維持させることで、環境に負荷を与えない優れた絶縁媒体として使用可否について明らかにすることを目的としている。 上記目的を達成するために、水の絶縁破壊試験装置と導電率測定装置を構築し以下のことが明らかになった。 0.055 μS/cmの超純水では、絶縁破壊電界は14 kVrms/mmでほぼ一定であることが分かった。純水の絶縁破壊電界は、導電率の増加と共に低下する傾向があることが分かった。一方、メチルセルロース25を添加した純水は、何も添加していない純水よりも時間と共に導電率が高くなる割合が遅いことが分かり、高分子を添加することで導電率の上昇を抑制することが期待できることが分かった。さらに、メチルセルロース25を添加した純水の絶縁破壊電界は純水とほぼ同じ破壊電界であった。このことからメチルセルロースを代表とする高分子を添加しても絶縁破壊電圧が低下せず、抵抗率を高く維持できる可能性があることが分かった。 0.1㎜厚さのPFAで被覆した電極を用いた複合絶縁構成で絶縁破壊試験をおこなった。この結果、比誘電率比により純水にはPFAの約1/38倍の電界しか加わらず、PFA被覆が約23rmskV/㎜で絶縁破壊した場合でも純水が破壊電界に達しないため部分放電のみが発生し、全体の絶縁破壊には至らなかった。今回の結果から、絶縁破壊電圧が高い複合絶縁構成にするためには破壊電界の高い被覆材料を使用するか、相対的に厚い被覆材料にする必要があることが分かった。
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Research Products
(1 results)