2013 Fiscal Year Research-status Report
原子層堆積重合による縮合系耐熱高分子の積層膜形成と応用
Project/Area Number |
25630118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 誉史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (10374969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マリアッパン ムルゲサン 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 産学官連携研究員 (10509699)
ベ ジチョル 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40509874)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気相堆積重合 / ポリイミド / TSV |
Research Abstract |
1,4-オキシジアニリンとピロメリット酸二無水物を真空加熱し、200℃に昇温した8インチシリコンウェーハ上へ気相堆積させることにより、耐熱性の高い芳香族系のポリイミドを得ることができた。膜厚を100nm以下から3000nm程度まで制御でき、特にスピンコート法では制御が難しい500nm以下の膜厚で高い面内均一性(5%以内)を達成できた。 ポリイミドの構造は、赤外分光法による1680cm-1近辺のアミド基の吸収が無いこと、および1380、1720、1780cm-1のイミドC-N伸縮、イミドC=O対称伸縮、イミドC=O非対称伸縮振動のピークから確認した。また、昇温ガス脱離分析より、350以下の温度で水分子の脱離が確認できないことからイミド化率が極めて高いことも確認できた。また、スピンコート法で成膜されたポリイミドに比べて、シリコンウェーハの密着性が同等であることをスクラッチ試験により確認できた。 シリコン貫通配線のライナー絶縁膜への適用性を評価するために、直径30μmで深さ300μm、および直径5μmで深さ50μmのアスペクト比10のシリコンビアに対して、非常高い被覆率で製膜することができた。一般的に使用されるテトラエトキシシラン(TEOS)を用いたプラズマCVDでは、被覆率が15%程度であるのに対し、本研究の気相堆積法は200℃の低温で、被覆率は約80%であった。 以上、成膜性の観点から、次世代の集積回路として期待のかかる三次元積層型集積回路への適用性が高いことを実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気相堆積法の応用に関しては先行して、その高い潜在性が確認できた。今年度はメカニズムの解明に関して深く追求できれば、研究の目的を十分に達成できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでジアミン1成分、酸二無水物1成分の2成分系で重合を行ったが、今後はジアミンと酸二無水物にもう1成分を加え、分子層を交互に堆積させる。それにより本手法のメカニズムの解明と、物性の制御を研究対象として今年度は研究に取り組み、この技術の現象論的追求とさらなる応用展開を図る。
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