2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノギャップでのエレクトロマイグレーションを利用した原子の移動操作制御手法の開発
Project/Area Number |
25630122
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
白樫 淳一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00315657)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電気・電子材料 / エレクトロマイグレーション / ナノギャップ / FPGA / 単電子トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、通電にて誘起されたエレクトロマイグレーション現象による原子の移動・操作機構を利用したナノスケール構造制御技法を開発し、同種・異種の原子からなる原子スケールサイズの量子ドット構造体(原子スケールドット)の作製と、そこから発現される新しい物性の探索・制御と機能の集積化を目的とする。具体的には、ナノギャップ電極に高電界トンネル電流を誘起し、ナノギャップ間での原子のエレクトロマイグレーションを発生させる。この際、原子の移動における物理的・化学的素過程を「その場」制御し、原子スケールドットのサイズや位置、構成原子の種類などを精緻に調整しながらナノギャップ間へ配置することで機能の集積化を達成する。同時に、原子スケールドットから発現される諸物性をナノギャップ電極を利用して電気的にプローブすることで、新しい機能性の発揮やその制御技術(素子)の構築を目指す。 最終年度(平成26年度)では、アクティベーション法を適用するナノギャップ電極でのナノギャップ間隔や通電電流量を適切に設定することで、室温動作可能な単電子トランジスタ(SET)の作製、SETの電気特性制御、およびSETの集積化を目指した。特に、本手法を適用して作製したSETの室温(299 K)と低温(18 K)における電気的特性の詳細な検討を行った。電子線リソグラフィーを用いて作製したNiナノギャップに対して、通電電流を1nA, 100nA, 300nA, 500nA, 700nA, 1μA, 3μAと順次増加させてアクティベーションを適用しSETの作製を行った。これより、本手法を用いることで簡便にSETが作製でき、アクティベーションでの各設定電流におけるStability Diagramのさらなる検討により、SETの特性制御手法の確立が期待される。
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