2014 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質からの結晶化と超多周期人工積層構造創製技術を融合利用したFeNi磁石の開発
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25630129
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福永 博俊 長崎大学, 工学研究科, 教授 (10136533)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁性体 / Fe-Ni / 磁石 / 規格化 / 結晶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究においてFe-Ni合金に添加物を加えた非晶質薄帯(昨年度の呼称:B非晶質薄帯)に350℃の熱処理を加え,その表面を単相状態(X線ではfcc状態)に結晶化することができた。また,その表面10μm程度を削りだした粉末の保磁力は10 kA/m程度であった。 そこで本年度は,まず,Bの組成を基礎にFe,Ni組成の異なる非晶質薄帯(非晶質薄帯D及びE),添加物の異なる非晶質薄帯(非晶質薄帯F)も作製し,B薄帯と併せて,等温熱処理を行った。その結果,B薄帯では,330℃の熱処理により,薄帯の状態で15 kA/mの保磁力を得た。昨年度,薄帯の状態で得られた保磁力が,800 A/m程度であったことを考慮すると,この保磁力は約20倍の大きさである。 さらに,結晶化部分の体積比を増加させるために,PLD (Pulsed Laser Deposition) 法を用いて,B薄帯と同じ組成を有する非晶質層(厚さ10nm 程度)とTa金属層(厚さ5 nm 程度)を交互に1000層程度積層した,超多周期積層構造を作製し,300-350℃で等温熱処理を施した。しかしながら,対象の膜は,複雑な多相構造へと結晶化し,目的とするL10相を得ることはできなかった。10nm 程度の極薄膜では,非晶質からの結晶化過程が,バルク試料とは異なると考えられる。
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Research Products
(13 results)